they lead you into the green veld where you can run forever
Music: 烏野の守護神 - 林ゆうき/橘麻美 ←
Chadwick Bosemanが亡くなった。
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2020年は、
ある。
と思っていた日常とか、
いる。
と思っていた人とか、
そういうものがなくなる。
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初夏のあたりに、身近な命を二つ見送った。
どちらも、それぞれ
高齢と
脳の病気で、
起き上がることもできず
会話もできない状態が長く続いていた。
戦っていた、という言い方もあるのだろう。
それは真実かも知れない。
お話の出来ない中でも、
彼女たちの精神はひょっとしたら
私が彼女たちを憶えているように強靭で明るく、前向きに
近い未来に尽きることの分かっている命も
できるだけ懸命に長く
全うしようとしていたかもしれない。
けれど
それを確かめる言葉のやり取りはもうできなくて
そんなことは分からなかった。
何が伝わっているのかも聞けないまま
私が楽しくなれる話だけを語り掛けながら、
天井を見上げて瞬きする彼女のまぶたをみて、
いつまでかなぁ
と
ぼんやり思っていた。
連絡があった時
驚きはなかった。
ずっと肌に近く当てられていたナイフが
ようやくこの身に刻まれたようにも思う。
痛みがくることを知っていたし、
その傷が癒えることも知っている。
人がゆっくりと死ぬような過程のことについて
残酷だと感じる以外の
解釈をまだ知らない。
さびしさを
ずっと前から感じていた気がする。
悲しさも悔しさも
ずっとくすぶったままそこにあった。
その感情たちが消えない。
納得のような何かを抱えながら
何かの役目を果たした身体を見送る。
でも彼女たちとは、
もう長いこと会えていなかったようにも思うんだ。
さよならは
もっと前に言っておけばよかったのかもしれないと思ったし
いまさら言ったところで
どっちにしてももう届かないんだなって
じゃぁ私と彼女たちのお別れはいつだったのだろうと思う。
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樹木希林さんの
人は、「いつかは死ぬ」のではなく「いつでも死ぬ」
を
よく考える。
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誰の旅路の終着点も必ず死であることを
ずっと分かっているのに
実際に死に始めると、待って、って思う。
実際に死なれると、何で、って思う。
毎回繰り返す。
いま、この時に、
語り掛けると返事をしてくれる命は
いついかなる時も死へ向かっていて
その道すがらにご一緒している
とてもささやかな邂逅にすぎない。
出会いは、本当は、きっといつも寂しい。
思い出せる彼女たちの顔が笑顔であることは
かけがえのないことなのかなって思う。
楽しかった思い出を作れたことは
物凄いことを達成した証なのかもしれない。
生きるという
死ぬこととは違う何かを
成し遂げた。
一緒に。
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ブラックパンサー
好きな映画だったからもう一度みたいと思っているけど
見たら泣いちゃう気がする。
シビルウォーも
あのシーンをもう今までのように見られる気がしない。
どれほどの想いで
あの映画たちを撮ってくれたのだろうと思うと
まだ彼が生きている時に一緒に作品を楽しめたことが宝物のように思える。
みんなが喜んでいる姿を彼がきちんと見ていてくれた事実が
今は心を少し落ち着かせてくれます。
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知り合ってもいないのに
なぜこんなに寂しいのか分からない
あなたの時間をくれてありがとう。
May you rest in power.