ONE VOICE

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水彩画の続き

Music: Watercolor - Voltaction 1st LIVE "Dynamic VOLT"

 

ヴォルタクションさんの1stライブはもうすぐ振り返り配信が見られなくなってしまうとかいう納得のいかない期日が近づいているようで。
今のご時世、見たいものを見たいときに見られるのが正義なのに...、何を言っているんですか?と真顔で聞きたくなるけど、自分の記憶の中にしかない思い出というものの貴重さや尊さのようなものは、あまりにも珍しくなってしまったからたまには思い知らされるようなことがあってもいいのかなとは思わないでもない(しぶしぶ

消えてしまう前にライブ全部の振り返りは残しておきたいと思っているけれど、どうしても先にこの話がしたいのでWatercolorの話をする。

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ライブの一曲目がTake Actionなのはわかっていた。というか正直別にTake Actionじゃなくてインレイドだったかもしれないけど、いずれにしてもどういうテンションで入るか、というのは決まってたと思うんだ。踊ってくれてノリやすい、盛り上がる曲で始まるだろう、と思っていた人は画面のこちらもあちらもみんな一緒だった。きっと。なのでいうて逆に二曲目を共感してた人はそう沢山はいないと思うんだな。みんなそれぞれに予想や想像をしてたと思う。いろんな夢があった。

実際に幕を開けたあのステージの上で、二曲目にWatercolorを持ってきたという事実で、私はこの先のVoltactionのライブをずっとずっと楽しみにしていける。すごいチームを応援している、と心から思えた。

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ヴォルタと一緒の振り返り(ドタバタしてないほう)で、Watercolorが始まった時セラフが「いつ終わってもいいライブだった」と言っていたけど、私は二曲目がWatercolorだってことを出だしの雲雀のソロで気付いたときに、ああ続いてたって思ったんだよね。あのライブの続きがここにあるって思った。

まさかこの曲をここに持ってくるとは思わなかった、という人はきっと多いんじゃないかと信じたい。私はそもそもWatercolorがセトリに入ってくると正直思ってなかった。この界隈のライブは初めて触れるのだけど、もう少しカバー曲とかが多いのかと思っていたから、Action収録曲以外がかなり無防備だった。そのままインレイドとかに入るかと思っていた。それから、曲間は結構時間が必要とされる人たち(技術的に)なのかと思っていたから、1曲目が終わって、ふぅって落ち着いて一息いただいていたのものある。思ったよりもタイミング早く2曲目が始まって、しかもその時まだほんとに気持ちよく歌えるコンディションなのか心配してた雲雀の声が「ほいさー!」って出てきてのけぞる以外の選択肢がなかった。演出もよかった、みんなが順番に、楽しそうな笑顔で出てきて最高だった。

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え、いま?!と会場で声を出したと思う。それに類することを絶対に言った。流石にアンコールとか終盤の印象が強かったし、ここで出してくるカードじゃないと思ったんだよね。なのだけど、幕張のあの箱に、4人順番に開けて響いていくそれぞれの声が本当に素敵だった。PC越しで見て聞いていたあのライブを、その続きを、今目の前に見ているんだと思った。これは諸説あると思うけど、セラフの声が一番普段と現地とで違って聞こえると感じる。前説の時からそうだった。でもだからこそ、雨上がりの、と歌った彼の声の広がりと、沈んだ心に、の三連符のリズムの取り方に、今この時だけっていう刹那的な命を感じた。もう二度と無い、一回だけの生のパフォーマンスを見ているという実感がすごく強くあった。

1周年でさよならを伝えながら歌っていた曲を、こんにちはーヴォルタクションです!って言いながら歌っていることに、手放しに感動した。こういう風に未来を拓けるグループなんだなぁと思った。間違えようのない前向きなビートで、まだ見ぬ未来の時間を、4人が本当に気持ちよさそうに歌って声を重ねていて感無量だった。空想が線を宿して四つの色を纏ってあの場所に集ったみんなを抱きしめに来てた。

1曲目がある程度決まっているこのライブの実質のスタートは2曲目だったと、会場を後にしてから振り返って思って、このグループが見せようと演出してくれた幅の広さや奥の深さや、その思考の柔軟さに、なんというか今後のすべてを悟った気がする。実際のカバーで見せられた二曲の選曲や配置もそうだけど、その曲で会場をどうしたいのか、ファンのみんなとどうなりたいのかを解像度高く共有して炸裂させられる4人だなぁと思った。ストーリーというか構成というものにしっかりとした思惑と目論見が感じられた。ただ歌いたい歌や聞かせたい歌を楽しく歌うだけの会じゃなかった。

Watercolorを二曲目に持ってきたことで、その後のセトリが、その曲が、伝えようとするメッセージのある色鮮やかで体温を持ったものに変わった。無理に盛り上げようとしたり気取ってる感じがちっとも無かったのはそれなんだと思う。だからキセキが出てきても驚きと感動はあっても違和感はなかったし、1000%が純粋なお祭り騒ぎとしてすべてを放棄して没頭できた。アンコールの構成は特に繊細さを感じた。あれから逆算すると、むしろWatercolorは2曲目以外に考えられないなって思う。

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このセットが一回だけなの本当にもったいない。ツアーしてほしかったなぁ。何回かの本番を繰り返して、各所で違ってくるあれこれを全国のファンのみなさんと重ねて照らし合わせてもっと深く味わいたかった。

またきっとこの続きを、新しい筆と絵具で描いてくれる近い未来を心待ちにする。