ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

永別

森の中を走る
田んぼの中を抜ける
蝉が喧しく騒ぎ立てる夏
遠い遠いあの夏

同じ色の帽子を被って歩く
向かう先も同じ
帰る先も同じ
ランドセルを置いて
また遊びに行った隣の家

この夏
きみはもういない
隣の家にきみはもう
いない

ありがとうも
さようならも言えない
何を言っていいかわらかないくらい
あの頃はもう昔になってしまったし
そしてきみはもういない

きみの記憶に
あたしはもういない
思い出すこともない
考えることもない
会いたいと思うこともなければ
何をしているだろうと考えることもない
きみはもういない
きみはもういない

私だけが
思い出して
考えて
会いたいと思い
何をしているのだろうと思いを馳せる
失われた命に

亡くなってしまった
きみの命に


たきはなけんいちくん
まだ死ぬには若すぎるよ。
思うところもきっといろいろあるだろうけど
どうか安らかに眠ってください。