ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

突然ですが

喋ってる時は日本語も英語も好きなんです。
どっちも、あぁ~いい言葉だな~と、胸につと来る瞬間がある。
聞いてるときもそうです。どっちも好き。

読んだり書いたりするのは、日本語のほうが好き。
断然好き。
漢字ひとつで表せるいくつもの曖昧な事柄が好きだし、日本語にある暖かなやさしさが好き。

久しぶりに本を一冊かって、一気読みしました。
その本が全然この前フリと関係ないけど(笑)
「夢を見ない男 松坂大輔
吉井妙子さんという方の本。

こういう類の本は小松成美さんのが好きなんだけど(『中田英寿 鼓動』はおススメです)タイトルに物凄く惹かれて、久しぶりに衝動買い。

一年前くらいに見たんだけど、まごまごあらしっていう番組に出ていた、茨城県稲敷郡の松澤さんというおじいちゃんがいるんです。たった30分だけの登場だったけど、私がこの人から受けた衝撃ってすごかった。おばあちゃんを20年前くらいに亡くしてて、男手ひとつで息子さんたち2人育てて、今は一人暮らしでダチョウの飼育をしながら生活をしてる。松澤さんにはやりたいことがまだまだいっぱいあるんですって。「毎晩、夢を見ながら寝るんです」っていう言葉を聞いたとき、なんだか泣けて泣けてしょうがなかったんだよね。

高校を卒業して、アメリカに来たとき、私には夢なんてなかった。鬼束ちひろの「私はどうして夢を見ないのだろう」って歌詞に、何度も頷きながら「いや~なんでなんだろう」自分は真剣にどっかおかしいんじゃないかと思ってた。目標もなかったけど、夢を見れないのが一番辛かった。「生きている意味が分かりません」みたいな、いかにも思春期に悩めば済む謎にずっと取り付かれてて、勉強してればいいやっていう高校から、将来どうしようっていう大学に行くのがすごく怖かった。それもアメリカに来た理由の一部なのかも。分からないことを先延ばしにしておく。私の悪いくせ。

今は、意味が分からないのは、死ぬ理由じゃなくて
生きていく理由なんだろうと思ってるけど。

やってみたいことは物凄くいっぱいあったんだけど、それとやりたいこととは全然違うことのように思ってた。機会があったらやれればいいね、くらいのノリで、別にそれに対する努力もしようと思ってなかったし。それは今思えば、確実なる夢だったんだけど、卒業後の進路とか、将来何がしたいの?という質問に答えるには、あまりにもふざけすぎてると思ってたと思う。でもね、「夢っていうのは、漠然としているうちにしか語れないもので、本当に手に届きそうなところまで来ると、 そのためにやるべきことって、当たり前だけれど、すごく日常的な作業なんだなって、改めて分かるものなんですよね」
勝手にリンクしてごめんなさい。アイバノデンゴンのRumyさんが書かれていた言葉です。すごくそうだな、ホントにそうだなって、強く思ったんです。

夢なんてきっと、見ることに価値がある。
目標はだから、達成することに意味がある。
今はいっぱいありますよ、だから。
夢見ることはものすごくたくさんある。
でも目標は未だにないかもしれない。

甲子園バカだった私にとって、松坂大輔という選手は特別です。昔は松坂さんと呼んでいたけど、プロになって松坂と呼ぶようになって、今は海を渡ってMatsuzakaと呼ぶようになった。もうすぐ、一年間、ひょっとしたら一生お世話になることになるかも知れない方との面談を間近に控えて、夢だけはいっぱいあるけど、でも将来本当は何がやりたいのかが明確じゃない私にとって、この題名はなんだかすごく意味深だった。あえて目標を持たないでいる自分の甘えが分かっていたから、尚更「読むなら今」という気がして、思わず手を出した。

「夢は布団に入るときだけ見ればいいんだよ。僕にとって将来やりたいことは目標なんだよね。夢じゃなくて、目標」

目を開けて見る夢があるとしたら、それがきっと目標なのかな、と最近思う。現実を見据えて、反対されてもバカにされても、見続けられたら、それはきっと夢じゃなくて目標なんだろう。私は結構挫折しがちだ。夢は目を瞑って、自分だけが見ていたい。それが本当に、確実に達成できることが分かった頃になって、いかにも「前からやってみたかったんです」みたいな顔をして、成長した自分を見せたつもりになる。

私は本当に大切なものが無くなってから気付くタイプで、
本当に大好きなものも好きになってから気付くことが多い。
だから自分が本当にやりたいこととか、夢とか目標とか、何もない中で手探りのうちに探し当てて見せるのは、ホントはすごく難しいし、出来ないんだけど、だからこそ、今回Internのお誘いをもらえたのは、すごくラッキーなことなんじゃないかと、改めて思う。

分からないことを考えるのは、もう辞めた。
やってみないと、分からないって。

それは、先方に会っていただく側として、ひょっとしたら、やる気ゼロでサイテーに見えてしまうのかもしれないけど、やってみて、分かりたいと思ってるところは本当なんだよね。ホントに自分がやりたいことなのか、確かめたいし、そのなかで、目標と呼べる、確実な何かを見つけたいとも思う。Internをお試し期間と思っているつもりはさらさらないけど、プロポーズから結婚までの3年に3回くらい別れかけてる松坂家の顛末を読んだ後だと、一年じゃ足りないかな、とも思うし、一生の目標とかって、そう簡単には分からなくてもいいのかな。

分からないことを先延ばしにしておく。
甘えなのか、自分らしさなのか、分からないけれど。
でも私にはこれしかない、とは思うので。

本それ自体は、松坂大輔人間性を押し出してる感じで、結構くすくすニヤニヤしながら読める本でした。思ってたほど「夢を見ない」シビアさやストイックさはなくって、むしろ奥様と結婚するに至るまでの紆余曲折は、ニヤニヤしてたら、不意をつかれてちょっと泣けてしまったり、なかなか良い本でした。

戻れるはずもない日が愛おしいよ
でも明日も僕たちを待っている
何処へだって まだ行ける
Still... arashi

何処へだって行ってやりますよ
待ってやがれNew York


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