ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

帰るべき場所

母とてくてく歩ってった呑み屋さんで、きっと大丈夫が流れてた。
ひとりで靴も脱がずにニヤニヤしてたら母にどつかれた。

AAA+を買わないけど一目見ようと行ったCD屋さんで、なんだかとてもいい曲が流れてて、思わず涙ぐんでしまった。ちょっと小田正和似の声でとりあえず切なくなった。バンプオブチキンという人たちのスバーノバという曲だそうで。ちょっと考えて、バンプオブチキンってトリハダ(Goose bumpsという)のことかな、とか下らないことを考えた。でもとりあえず、トリハダが立った。

帰国すると恒例になっている、恩師との飲み会がやっぱりどうしても楽しかった。高校の時の先生と一緒に飲むとか、普通はしないよね。恵まれている、と思う。話を聞いてもらうのも嬉しい。私なんかにしてくれる、先生たちのお話も嬉しい。出会いが人生を作っていくのだとしたら、もうすでにとても素晴らしい人生は、約束されたような気がする。

中高と、6年間一緒に暮らした姉妹達と久しぶりに会った。再会した瞬間に大爆笑してしまったくらい、誰も彼もが変わってなかった。最初に「ひさしぶり~」と言ったら、急に寮の食堂にいるような気がしたよ。夏休み明けにみんなで再会すると、顔の筋肉が痛くなるくらい笑っていたことを思い出した。もうあの頃には戻れないけど、会えばすぐに元に戻れる。矛盾しているけど、そういうこともあるんだなって。幸せってきっとそういうことを言うんだ。

最後の夜、父と初めて二人だけで飲んだ。白ワインが飲みやすくて、ひとりでぐいぐい飲んじゃったけど、父も意外と酒豪だった。ほろ酔いの時に見ると、おかしさが倍増される大宮の逆回転をここぞとばかりに見せてやったら楽しそうだった。ついでに「目をつぶったら朝だな」も見た。そんな下らなさに癒されて、父の話を素直に聞いておいた。「社会に出るとへこへこしなきゃいけないときもある。それがイヤになる人もいる。でも本当に大切なのは、自分がやりたい仕事をやることだ」 酒の勢いを借りないと、本当のことが言えないのは、きっと父からの遺伝だったんだと、ちょっと思って切なくなった。

どこへ行っても、何をしても
帰る場所がある。
それはきっと当たり前のことじゃないんだ。


パチパチする