追憶 ～ヒロシマ～

手をつなぐ
つたわってくる暖かさを
感じることができる？
生きているんだよ
あたし達は
生きているから暖かい
あたり前のことなのに
いつの間に
忘れてしまっていたんだろう

抱きしめられて安心すること
聞こえてくる鼓動が
語りかけてくる
生きているんだよ
あたし達は
生きている
その暖かさを
少しずつ分けあって

“遠い暑い夏の日
セミのないていたあの日
街は燃えていたよ
あの夏の日
あの暑い夏の日
あの人たちが感じた命の温度は
どれほどだったんだろう
熱風の蟠りに背を向けて
湯になった河に飛び込む人たちに
今
あつすぎる体温を感じる”

あの日と同じように
こんなにも照りつける
夏の太陽の下で
心地いい暖かさを
あたし達は分けあえる
あの日と同じように
こんなにもさわがしい
セミのこえの中で
語りかけてくる鼓動を
あたし達は聞き分けていける

生きるんだよ
あたし達は
暑い夏を
忘れないまま

*高1*
*Jul.03.08 はくすお礼画面*