ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

SN: 4x07 It's the Great Pumpkin, Sam Winchester

最近Supernaturalで検索かけていらしてくださる方が多いようなのですが、
Season 4 の エピソード Reviewをしています。
かなり細かいところまで話していますので、完全なるネタバレです。
自己判断でお願いします。

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このエピソードを見て、見終わって、S4が始まってから私が感じ続けていた違和感の理由が分かりました。

私は天使の存在をどうも上手く処理できないのです。Castielというキャラクターは好きだし、Mishaはいい仕事をしていると思う。Urielもいいんです。あぁいうAngelがいても面白いという考えは嫌いじゃない。だけど、Supernaturalという物語が、天使の登場によって面白くなったかというと、私はそうだとはどうしても思えないんですよ。果たして天使はいなくてはならないのだろうか?

Luciferが甦る、というストーリーラインはいいと思うわけです。悪を狩り続けてきたのだから、最終的にそこにたどり着くのは当然だという気もする。もしそれが、Apocalypseを意味するのなら、それもいい。現実味はないけれども、Supernaturalに現実味を求めるのはくだらない。そしてそれを防ぐために、Winchester brothersがてんやわんやするのは面白いと思うし、S4のメインとして十分だと思うわけです。うん。

それだけでよかったんじゃない?(笑)

そこに天使と神様と天国を出してくる必要が果たしてあったのかがよく分からないのですよね。だから、私はAngelの出ているシーンが邪魔に思えてしまうわけなのです。SamとDeanに任せておけばいいじゃないか、と思ってしまう。このエピソードで、それをとても強く思った。

このエピソードは、S2に入っていてもよかったんじゃないかと思うくらい、エピソードとしてきちんと成り立っているんです。Monster of the Weekはしっかりした派生理由があるし、悪を働く理由も手段も明確で、兄弟のモーテルに仕掛けを残していったり、犠牲者と思ったら実は共犯者だったり、手強くて面白くて、倒しがいがある。Luciferを解放するというメインストーリーにも繋がっていながら、SamのPowerという兄弟間の物語にも進展がある。よく出来ているわけですよ。私はこのエピソードをとても好きになりたかったの。

そこへ天使が出てくると、切り取られたように明瞭に動いていたストーリーが曖昧に濁っていくのです。必要ないの。蛇足なの。彼らがいなくてもSamとDeanは狩りをするし、彼らがいなくてもSamとDeanはLuciferの復活を防ごうとするし、彼らがいなくてもSamとDeanはSamのPowerのことで言い合いをするし、彼らがいなくても私たちはSamのために悲しいし、彼らがいなくても私たちはDeanのために泣くんです。天使の皆さんは、いなくても大丈夫なの。

Directionや演技という点において言えば、モーテルでの4人の邂逅はそれぞれがそれぞれに素晴らしかったし、最後のSamとUrielのシーンは兄弟げんかとは違う圧迫感があったし、CasとDeanのシーンも穏やかな寂しさに満ちていてとても印象的でした。楽しめるだけのものは提供されているんです。だから私はまだ飽きずにSupernaturalを見るし、続きを楽しみにするし、早く1月15日にならないかなとジタバタするんです。だけどやっぱり天使の皆さんはどうしてもSupernaturalの世界に必要じゃない。と私は思う。HunterがHuntするという簡単なコンセプトを、無理にむつかしくする必要はなかったんです。まだDeanの本当のJobがなんなのか、という最大の疑問が残っているので、それをどう捌いてくるのかを楽しみにしています。私の見方が変わるとしたら、そこだと思う。

以下、その他。

PilotのJaredが今と違う(笑)。 あの時彼は22歳とかですか? わっかいな。

こんなFBIがやってくるのでしたら、旦那の一人や二人くらい・・・(笑)。この二人のネクタイ、Yellow Feverの時と同じじゃないか?(細かい) Deanのネクタイが素敵です。青は良い。良いよ! Fridgeの裏でHex bagを見つけて、すっと立ち上がるところが好き。

"It's Halloween, man." がかわいすぎてもう!(昏倒)

チアリーダーが魔女だということを発見して戻ってきたモーテルで、Deanが妄想にふけって "hmm..." と息を吐くところで私は昇天させていただきました。なんて音を出しやがる。そして息を深く吸い込んでなんて顔をするのでしょう、あの人! 死んだ。私は。とても幸せにいま死んだ(笑)。

Casに握手を求めるSamが健気で私は泣きそうでした(苦笑)。そして彼はSamに向かってなんて挨拶をするんですか(爆)。私はCasが歩くと揺れるコートの裾とよれたベルトが好きですよ(どうでもいい)。Urielに正面きって向っていくDeanの、というかJensenのまつげが長すぎて私はちょっと惚けてしまった。明確な意思を持っているときのDeanには惹き付けられるものがあります。有無を言わせないだけの毅然とした輝きがある。"We can do this." の直前の、Jensenのカット。瞳の位置の移り変わりで、小馬鹿にした笑いが圧力に変わる瞬間。とりあえず息を呑んで、それから溜め息をつきました。この人ホントにどうしようもないね(苦笑)。

たまごかけインパラ(爆笑)。裏切られた気分でいっぱいのSamを何とか元気付けたいDean。自分はAngelや神様の慈愛なんて信じてもいないくせに、沈黙が訪れたらSamが余計に落ち込んでいってしまうんじゃないかと不安でたまらなくて、とりあえずしゃべり続けるDean。なんか久しぶりにこういうDeanを見た気がする。"Don't give up on the stuff is all I’m saying." の前の躊躇とも焦りとも苛立ちとも言えないあの表情が、あまりにも天才的で呆れます。あれは、なんて表現したらいいんだろうね。凄いね。

これだけJensenを褒めちぎっておきながらなんですが、実は私は、Jaredのあまりの演技力に目がくらんでいて、かえってJaredの凄さを完全に見落としていたことに、今もう一度見ながら気づきました。SamがPowerを使うシーン。私はSamの血管を駆け巡っている何かがあるのだと思っていて、身体が辛そうでかわいそうでたまらなくて、ものすごく本気で心配して、どきどきして、震える彼の掌にそっと触れてあげたかったんです。あれさぁ。Jaredって、手を前にかざして突っ立ってるだけでしょ?(苦笑) そこで何が起こっているというわけでもなく、ただカメラの前で手を前に出しているだけでしょ? 私は、あのシーンがどれほど安っぽくて馬鹿馬鹿しく見え得る危険性を持ったものであったか、ということを、まったく考えずにおりましたが、いや、あれは凄いよ。うん。迫真。Jaredは真実にとてつもなく迫ったと思う。彼のあの演技があって、初めてJensenのあの表情が生きるんだと思うんです。あのシーンはそういう意味で、とても二人のシーンだった。あの二人でなければ、成立しなかったシーン。

サムヘインも上手く撮れていたし、DirectorのCharles Beesonは素敵なお仕事をされたと思います。前にもエピソード撮ったことあったっけ? なんだか初めて聞いた名前のような気がします。

パチパチする