*Supernatural Season 5 の Reviewです。*
*避けてらっしゃる方は以下ご注意。*
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私、以前も言ったと思うのですが、SNの監督のなかでPhil Sgricciaが一番すきなのです。この人の見せる、セリフのない場面の美しさがすき。痛覚を凄く効果的に捕らえる人だと思う。SamがDeanを突き飛ばすところが大好きでした。殴ったりするのではなく、突き飛ばす。物凄く端的に撮られた画。しかもその時のJ2の表情ときたらもう圧巻です。今回はあのシーンが記憶に残りました。あと最後の別れ話のシーンも(違)。
Casがケータイで電話してるのが面白いです(笑)。しかもSamにかけるところがイイ。私は密かにSamとCastielで何かストーリーを作ってくれないかと思っているので(この組み合わせは案外面白くなると思うの)この2人が仲良いそぶりを見せるとそれだけでウキウキしてしまいます。Casの”I’m gonna find God.” というセリフは、私が笑った度合いほど面白くなるはずじゃなかったのだと思いますが、ねぇ(笑)。そんなに真面目くさって言われても!(爆笑) しかもアナタAngelなのに(笑)。Deanが私たち側の人間で助かります。私だって聞き返すよ。しかしDeanの”Try New Mexico. I hear He is on a tortilla.” も爆笑でしたが、その後のMishaの間ときたら最高でした。”……No, He’s not on any flatbread.” 当たり前。
ところでMishaについて言及したことがまったくないような気がするのですが、Castielという、単純に言えば極限まで難しさを追求した役回りを凄く分かりやすく伝えられる、偉そうにいえば、とても貴重な俳優さんだと思います。普通にやってるけど、あれって凄く難しいと思うんだよ! 私はCasとしてのこの人のDelivery(セリフ回し)が非常に独特で特に好きです。いつも同じ服装であるということ以外は確実に普通の人間なのに、最近は表情にも幅が出てきたのに、未だにCastielが人間っぽくならないのは、Mishaの作り出す不可思議な間のとり方、呼吸の仕方が絶妙だからで、普通の人間が喋るテンポやリズムとは明らかに違う言葉の流れを生み出しているせいだと思う。Deanに神をけなされて反論する時のDeliveryもそう。速くなったり遅くなったり隙間が開いたりと、忙しいのです、Casのセリフ(苦笑)。だからつい物凄く注意を払ってしまう。それはAngelに対する姿勢として正しい気がする(笑)。
CasがAmuletと言った時点でピンと来てしまった自分が、なんだかちゃんと驚くべきポイントよりも早まってしまい、ちょっと残念でした(苦笑)。正直s3の時のChristmasエピでAmuletにまつわる話はおしまいなのかと思っていたのですが、なんとも意外な。Very specialと幼いSamは言ってましたが、まさかそんな役割があったとはね。しかも作った本人がその役割を知らなかったってどうなの?(謎) だけどとにかく渡したがらないDeanがかわいすぎて倒れそうです(笑)。しかも必殺上目遣い(yuriaさん! 笑)。Sammyに貰った思い出の品だもんね。”Great, now I feel naked.” は、実はどこかのFanficでも書かれていた気がする(苦笑)。それだけDeanのAmuletに対する思い入れについて、Fanと製作陣の間で共通の見識があるということなのでしょうけども(笑)。このタイミングで、Samからプレゼントされた大切なものをDeanが手放す、というのは、また別の話ではあるけれど、非常に象徴的な気がしました。なんか必要以上にさみしい。
ImpalaがRiver Passに入る橋に差し掛かっていくShotは圧巻でしたが(カッコよかった)、あれって全部CGだよね? なんか、日本のドラマとの制作費の違いを実感した(苦笑)。しかし街中の様相と軽快な音楽と、それ以外の沈黙が非常にCreepy。と思ってたらHoly shit, Ellen! わあ。吃驚。そしてママ素敵(笑)。Yes, ma’am.
階段の前でSamとDeanが口論を始めそうになる時、表情だけのやり取りが一瞬あるのですが(SamのYou don’t want me going out thereの直前)、それがとても好きです。真意の探りあいというかね。今の二人はこればかり。
StoreでSamがDemonを2人殺しますが、それが異様に生々しいんですよね。最初に見ているときは分からなかったんですが、後でよく考えてみれば、彼らは人間だったわけだから、刺されたときにいつもはあるはずの閃光がないんです。こういう重箱の隅をきちんと突いてくるあたりが非常にKripke(苦笑)。こだわりのある男。そして圧巻はその後。私だけじゃないと思うんですが、見ていてつい、Sam, don’t do it.と警告したくなる。ひょっとしたら舐めちゃうんじゃないか、と思ったと思う。それはつまり、Samを信用できていないということだと思うんです。つまり私たちはDeanが見ているようにSamを見ている。だからSamの隣にDeanがせっかく腰掛けたのに会話がおかしくなっちゃったり、その後SamがDeanを突き飛ばすに至った件の部分も、お互いの言おうとしていることが理解できる。見ている側はどっちの味方でもあり、だから2人のギクシャクした関係に説得力があり、最後の破局も気に入らないけど受け入れざるを得ないところまでもっていける。今回の話の流れ全体を考えると、あの場面できちんとそういう演出を出来る監督さんは凄いと思う。
If you actually think I… と、怒りの途中で言葉を続けられなくなるSamがかわいそうだ。何を言ってもやっても、DeanをConvinceできないことを、彼は知っているのだと思う。だってDeanのあの顔! あれはSamにとって世界の終わりです。Apocalypse, right there. 後々Samが捕らえられた時も「計画が必要だ」と言いながら、一度手を掛けたドアノブを離しましたが、それが理由だとしても一目散にSamを助けに行かなかったDeanは結構Broke my heartでした。今までだったら発狂しそうになってたのにー。
今回の敵がちょっと判り難かったと思うので、軽くピックアップします。Monster of the weekはWarといって、Four Horsemen of the Apocalypseの一人です。日本語で言うとヨハネの黙示録の四騎士のうちの第二の騎士にあたり、人間に争いをさせる性質があるようです。今回は幻覚を見せてお互いをDemonだと勘違いさせていただけ。川が汚染されたり流れ星があったりというところからヒントを得てDeanが解明していったのですが、最終的に決め手になったのは初めのほうに出てきた赤いMustang(爆笑・マスタングには野生馬という意味もある)。いかにもDean(笑)。Warは赤い馬に乗っている、と決まっているんだそう。
このエピソードはとても上手い具合にひとつにまとまっていると思ったのですが、やっぱりWinchesterのストーリーラインとMonster of the weekのストーリーラインが綺麗に絡むと物事がスムーズに運びますね(苦笑)。自分がDemonと断定されて、Holy waterを浴びせられたり魔方陣の下に捕らえられたりするのは、今のSamにとってかなり精神的に痛いと思う。そこに来て「お前は血のことしか考えられない」と見透かされてしまったら、泣きたくなるのも無理はないよね。いろんなことから逃れられないSamが非常に不憫です(涙)。
私は公園のテーブルで行われた会話は恋人同士の別れ話というふうに捕らえているのですが、間違ってませんよね?(笑) Deanが同意してしまったことにショックを受けたのはSamだけじゃないと思う(苦笑)。I was expecting a fight, too! あまりにもあっさりすぎて、「え?」と一瞬止まりました。いや、分かるけど。分かるけどDean! アナタひとりじゃ生きていかれないじゃない!(笑) このScriptは確かGambleだったと思うのですが、彼女は相変わらずImpalaを上手く使いますね。あそこで愛車をオファーするDeanに、まだ脈アリだな、と私などは仲直りを待ち望んでウキウキするのです(苦笑)。
Take care of yourself, Dean. と言われて、目を見ないまま、Yeah, you too, Sammy. と返すそのやり取りがとにかく、NOOOO! という感じで(笑)、Dean! Dean! What are you doing? Don’t let him go! と画面に向かって叫んでおりました(だってー)。あの場面でSammyを使うあたりがこれまたGamble。よく分かってる。たまに私はSamがStanfordに旅立った当日のこの2人のやり取りを想像したりします。Fanficでよくあるように、バス停まで送っていってあげたのかな、とかね。きちんとお別れは言ったのかな、とかね。こういう形のさよならを目撃することになるとは正直思っていなかったですけど。Deanの視線の先で、後ろの席から荷物を取り出して、ゆっくりImpalaの車体を指先で撫でながら離れていくSamが切なくて好きです。芸が細かいけど、あの自然な名残惜しさが悲しい。
だけど、これは必要なBreak upだと思うのですよ。恋人同士だって距離が必要な時があるでしょう。今の二人はそれぞれにがんばるのでもいい気がしないでもない。・・・でも二人一緒がいいけれども(意志薄弱)。
パチパチする