ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

SN: 5x01 Sympathy for the Devil

残念なことに、Season4のReviewが間に合いませんでした(驚かない)。
なので今シーズンは溜めないように書いていくことを目標にします。

Supernaturalというテレビドラマは、非常にカテゴライズの難しいドラマです。ホラーという言葉では物足りず、スリラーとするには。非現実的要素が多すぎる。涙が出るほど笑えるけれど、コメディーじゃない。

家族という、どうしても逃れられない、形のない、確かなもの。
私がSupernaturalに唯一つのラベルを貼り付けるとしたら、そのジャンルの名前はヒューマンドラマです。
この話は、そこにヒューマンがいて、初めて成立する。
どれほど世界が広がって行こうとも、この物語が描きたいのは、Winchester兄弟以外の何物でもないのです。

・・・どれほど世界が広がって行こうとも!(笑)

私はSeason4は必ずしもノリノリで見ていたわけではありませんでしたが、Kripke以下のライターさんたちが、自他共に認める主軸である、兄弟の絆を手にかけていくその勇気にはいつも感嘆させられていました。もうそろそろ仲直りさせないとストーリーがもたないんじゃないか?というところも、なんでもないような顔で突破して、ついに兄弟がお互いの言うことに耳を貸さないところまで辿り着いてしまった。しかも、必ずしも自分が同意できる理由ではないにしろ、なぜ2人がそういう行動をとるのかを見ている側がきちんと理解できてしまえるところに、SN製作陣が築いたキャラクター構成の秀逸さがあり、SNファンの本当の苦労があります(苦笑)。憎んでいるわけじゃないのに、お互いを理解しあえないもどかしさや、後ろめたさからでたウソで遠ざかっていく距離というのは、天国や神様が出てきて100歩ほど後退してしまった私にも理解できる、現実的なテーマだった。

だからうっかりやきもきさせられる(笑)。こっから一体全体どうやって2人の関係を再建していくのか?
なぜなら私たちは知っているのです。この二人は仲直りするって。
なぜなら彼らはSam and Deanだから。

このロジックが、一見無茶苦茶なようで、しかしビックリするほど完全に論理として成立するところが、SNの凄いところです。侮れない。

Season4の終着点が見え始めたころから、私はこの2人の仲直りが見たいがために、s5が楽しみでしょうがありませんでした。だってそれってつまり兄弟の関係性がs1に逆戻りするってことでしょ? お互いが距離を見定めながら少しずつ仲良くなってくってことでしょ?! やばいじゃん。ちょー楽しみじゃん(笑)。

*Supernatural Season 5 の Reviewです。*
*避けてらっしゃる方は以下ご注意。*

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予想通り、兄弟間のボロボロの絆を明確に提示するところから再開したSN。今回のエピソードは面白かったけれど全体的な流れとしてちょっと詰まっているような感覚がありました。多分Luciferの話とWinchesterの話とで上手く連動できなかった部分があるのだと思う。それからSamの感情の起伏に緩やかさが見られなかったのが残念でした。それが顕著だったのが(エセ)Bobbyに罪を告白するシーン。一度Samをフレームからはずしてしまったことで、何かひと段落ついてしまったようで、流れを感じることができなかったのが要因だと思う。アングルを変えるのはともかく、なんでわざわざベッドの上の本にフォーカスを移したんだ? しかしあのシーンのSamはとにかくなんかもー傷だらけで、”I want you to lose my number. Do you understand me?”と(エセ)Bobbyにグッサリされて、コクン、とうなずくあの仕草が、なんかもう非常に子供でした。迷子。JPはホントに可哀想になるのが上手(苦笑)。

さて、私はお恥ずかしいことに、エピソードを見ている間中Deanの感情を読み違えていたような気がします。Deanはずっと、Samと仲直りしたいのだと思ってた。根本的にSamとの仲違いを嫌うDeanの性格を考えて、仲直りする必要性を認めないでいれば、そもそも関係が拗れていたこともまとめて無視できるわけだから、それでずーっと「何が」というワケでもなく、It’s okayといい続けているのかと思ってた。しかし、とあるファンの明晰すぎるReviewによれば、Deanは今回のエピソードで最初から最後までひたすら大激怒しているのです。皆さんはどうご覧になっていました? このファンの方の見解は私の中では大正解なので、正直、もう少しDirectionとしてあからさまにしても良かったんじゃないかとは思ったのですが・・・。

Deanは飛行機のあとの車の中でSamを見ようとしない。
Samのほうすら見ようとしない。
その後のモーテルでも、彼はあくまでもプロフェッショナルを演じ続ける。
I brought this onと罪を告白したSamに対するBobbyの反応を酷く冷たく窺っている。
BobbyがSamを責めても庇うそぶりすら見せない。むしろBobby側に傾いて立っている。
Bobbyに切り捨てられて子供のように頷くSamを淡々と見据えているだけ。
傷心でモーテルを出て行くSamをなんと睨み付けている。
後半のBobbyの病室でも基本的にSamの存在を認識しているそぶりをほとんど見せない。
Bobbyと話しているだけ。
病室を出て行くときにSamを待たずにさっさと出て行く。
BobbyがSamを赦した時が怒りの頂点。あのリアクションは苛立ち以外に考えられない。
つまりDeanは自分が抱えているSamに対する怒りを理解してくれる人がいなくなったのが気に食わない。

こんな時だからか、Samはいつも以上にしつこくDeanのドアを叩き続けて、なんとエピソード内でDeanに心情を吐露させることに成功します。私はあの最後のParking lotのシーンで一番悲しかったのが、DeanがYou are the one that I depended on the most.と言ったときで、うっかり泣きそうになってしまいました。Deanの性格を考えると、Dependなんて言葉が彼の身体の中に存在することを認めることは悔しすぎるはずなんです。だけどそれが口をついて出てくる。Deanにとっては、Samは自分を信じてくれている、自分の言うことに耳を傾けてくれる、という彼自身の信頼を打ち砕かれたことがたまらないわけです。SamがApocalypseをはじめようが、地球を爆発させようが、そんなことは彼にとって怒る理由にはならない。しかしSamのほうは基本として、自分が何を行うか、誰を救えるかで自分の価値が決まってくると考えている部分があると思うので、まずそれを念頭にこのエピソードを通して謝り続けてきました。RubyなんてDemonを信じた挙句Apocalypseを始めた自分は赦しがたいと思っているけれど、Deanを選ばなかった自分についてはあまり深く考えていない。なのでDeanがSamに謝って欲しいことと、SamがDeanに赦して欲しいこととは、最後の最後まで、まるで違うことなのです。だからSamはI just don’t think I can trust you.と言われてあからさまに衝撃を受けるのですよ。そして自分が今までDeanに求めていた許しは得られないことを知ったわけです。

先にも言いましたが、ここからどう修復を図ってくるのかが非常に見ものです。ここまでファンが詳細に心理分析を楽しめるキャラクターを描くこの作品は、本当にヒューマンドラマ以外のなにものでもないと思う。なので天使や神様が度をわきまえて活躍することを、期待しています(苦笑)。

以下、その他。

初めの15分くらいずっと頭の中で、WTF? Oh F! と連発していました。なにがおこっとるんじゃー!

Title sequence is awesome. ちょっとDexterっぽい。

Dichariah(笑・アメリカのファンがそう呼んでた)を吹っ飛ばした後に”Learned that from my friend Cas, you son of a bitch.”と言っているJAの瞳が、たぶんシリーズを通して一番きれいに光を受けていると思う。物凄く綺麗。

Future Luciferの登場シーン。あのキーコキーコいう門と顔面の織り成しは素敵でした。この役者さんはDexterに少し出てきていて、私は結構好きだったので(声がすきなのです。悪役として最適)期待しています。

Fan Girlの件は最高に楽しかったです。一度見れば十分な程度だけれど、こういうFanに対するAcknowledgementを取り込んでくれるのはありがたいことだと思う。

確かにKate Blanchettに似てる(爆笑)。

いろんなところで読みましたが、やっぱり私も思ったよ。Casが強くなった!(爆笑) この人の役回りが気になります。Regularになったからにはかなり絡んでくるのだろうと思っていますが。Mishaの演技はめっちゃ上手いと思っているので、Casも好きになれるように、何か上手い話があればいいとおもう。

パチパチする