ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

SN: 5x05 Fallen Idols

*いっこ下にはくすお返事あります*

*Supernatural Season 5 (日本ではまだ未公開)の Reviewです。*
*ネタバレあります。*
*避けてらっしゃる方は以下ご注意。*





私が毎回毎回、このドラマはレベルが違う、とたまげるのは、こういうめんどくさいところを端折らないからです。私は、私だったら、今回のエピソードは2x07のThe Usual Suspectsみたいなエピソードにして、いかにこの2人がまだ繋がっているかを見せつけたかった気がする。そしてエピソードの最後には、"Jerk."  "Bitch." と言わせて、ひとりでご満悦になりたかった。

そんな手抜きをするようなプロダクションじゃないのだということを、私はどうもすぐ忘れる。

SNが、そうあるべき単純な低予算の恥ずかしいSFにならないのは、人物造詣にかけられる時間と労力が並外れているからで、それだけの血肉を注がれているキャラクターは、こんなにも生命をもって動くもののようです。そうして彼らは私たちと同じように成長していく。元通りなんてことはないのです。傷ついて、学習して、私たちは変わっていく。

私がReviewし損ねたs4のエピソードの中に、4x14 Sex and Violenceがあります。これは残念ながら私が気付いたことではないのですが(よくお邪魔しているReview Writerさんの一人が書いていた)、SamとDeanの喧嘩の仕方には明らかな違いがあります。Deanが「お前のこういう行動が気に食わない。そういう発言に俺は腹が立つんだ」と主張するのに対して(Dean pinpoints what you do)、Samは相手の人間性そのものを否定します(Sam attacks who you are)。Deanが、お前が隠し事をするのが嫌だ、裏でコソコソしやがって、といえば、Samは、Deanが弱いのが嫌だ、メソメソしやがって、と返す(実際の言葉とはちょっと違うけど、総括するとこうなるはず)。長男Deanが真っ向勝負を挑むのに対して、次男Samはしたたかに相手の痛いところを突く。私は兄弟姉妹がいないので、あくまで自分の想像ですが、なんだかそれは分かるような気がするのです。子供の喧嘩で身体の小さな子や、低学年の子は、自分に出来る限りの精一杯で、なんとか対等になりたがる。頭のいいSamのことですから、46時中一緒にいるDeanのどこを突けば効果的なのか、見破ることなんてわけないと思うわけです。

しかし今回、「僕が悪かったんだから、Deanは怒って当然だし、僕を信じられなくても構わない。そうされるだけのことをしたのは分かってる。だけど以前のように僕をガキ扱いするんだったら、それじゃ僕らは上手くいかない。だからこんなことになったんじゃないか。それはDeanのせいじゃないし、僕が悪いよ。だけど僕はDeanに対等に扱って欲しいんだ」と、モーテルでDeanに説明をするSamは、なんだかとっても大人だった。

JPはやっぱり凄いな、と思うわけです。
この人は時々凄すぎて、気付きません。
見過ごしちゃう。

s1を久しぶりに見たりすると、やっぱり5年前ですから、J2はどちらも若いのです。だけどJAが若いだけなのに比べて、JPはとにかく幼い。あの頃のSamはとにかく"Sammy"で、Deanに頼みごとをするときは、必ず必殺!Puppy Eyes!を繰り出して、Deanだけでなく画面のこちら側の私たちをも軒並み倒してくれました(笑)。だけどs3の頃からSamが変わり始める。何か関係があるのかどうかが未だに不明ですが、JPが外見的に変わり始めたのもこの頃です。その後Deanのいない4ヶ月を経て、s4でのSamはDeanの前では『弟』に戻るわりに、Deanのいない時は立派に一人の男性でした。横暴なほどに自信に満ちた感じがしていた。そしてs5になって、今回のモーテルのシーンで、今までの変化をすべてひっくるめ、Jaredは『弟でありながら対等』なSamを生み出すのです。つまりお兄ちゃんではなく、『パートナー』に対して、おねだりではなく、『要求』をする、新しいSam Winchesterの佇まい。

その変化の表現が、とにかく自然でストーリーに適っている。

いやはやホントに凄いドラマなんだな、と思っていたら、"Jerk." "Bitch." の代わりに、SamがImpalaを運転する、というDeanにとっての最大限の信頼を象徴する出来事で話が終わって、私は万歳をした格好でエンディングを迎えました(笑)。あー楽しい、このドラマ!(笑)

以下、その他。

出だしの車の中の会話。あのギクシャク具合に乾杯。

最初のWitnessと話すシーン。ブラインド越しのショット。最高。

Sam wearing THE Blue Tie. WIN.
s4のYellow FeverでDeanがImpalaの側でFreak outした時にSamがしてたネクタイです。
私Jaredが青を着ているのがとにかくすきみたい。

SamとDeanがそれぞれPCを持っているのが不自然だと思ったのは、私だけですか?

Paris Hiltonが誘拐犯と聞いた後の2人の会話。
それぞれがお互いのセリフを取って代わってるのがすき。

Parisのセリフが長すぎてビックリ(笑)。
でもああやって自分のことを馬鹿にするユーモアのセンスがあるところは、正直すき。

うっかりJeffery Dean Morganが出てきてくれるのかと期待してしまった。
んなワケないじゃん。

ところで、Samがひとりでトランクを開けて準備をしている時のあれは、Blue Steelですよね? それから最後の最後で、Deanがトランクを閉めた時、SamがDeanの右手に触れようとして、やっぱり止めて意味もなく自分のジャケットの襟元を直すそぶりを見せるんですが、あれはナニ?(笑) あまりにもGag Reelが多いので、普通に流しちゃうことにしたのか?(爆笑)

最後に、この40分で一番面白かったのは、Jaredがホレイショの物真似をしたときでした(CSI: Miamiのメインで、サングラスをはずして、臭い台詞を決めて、サングラスをかけなおす、を繰り返す人)。爆・笑。OH MY GOD. あれっていつ放送なんだろ? 楽しみすぎる。

Fruitarian. パチパチする。