ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Rent - Broadway

Mimiちゃんの誕生日が先月末だったので、昨日はそれも兼ねて二人でHot Dateを楽しんで参りました(笑)。

ご飯をいただいて、お酒も入ってよいカンジになってきたところでRentを観にいったわけですが、完全なる私のミスで席があまり理想的なものではなくて(涙)。音響的にもかなりバンドの音が大きく聞こえてしまったのと、2回席だったものでどうしても俯瞰で見てしまうというか、のめりこむことができなかったので、閉められてしまう前にもう一度いい席でリベンジをかけるつもりでおります。

Roger役のDeclan Bennettという人の声が、ゾクゾクするくらいセクシーで素敵だったんです。One Song Gloryとか、もう、「ヒャー!」という気分でしたが、後半になって、こう、激情を表現しないといけない歌のときにどうもナイーブ過ぎるその声が裏目に出てしまい、怒りくるって人を突き飛ばす動作とちぐはぐに聞こえてしまうので、それがちょっと残念でした。でも素敵な声だったー。CDがあったら買いたいですね。というかあのOne Song GloryとGoodbye Loveはずっとずっと聞いていたい。Mimi役の人もGoodbye Loveでは非常に泣かせてくれたので、一度きり、というのが舞台の醍醐味でもあるんだろうけど、なんだかもったいないです。手元において置きたい。

転世薫風のレビューを書いてるときに思い出したんですが、この舞台を見に行ってそのセリフの真実を認識した事柄があります。Rentを映画化したChris Colombus(スペルあってるかな)が言っていたことなんですが、「映画と舞台とでは観客の感情の許容範囲が違う」・・・とかなんかこんな感じのことを言っていて(苦笑)。要するに、映画ではクライマックスはひとつしか作るべきではないし、何度も何度も大泣きさせるような場面を作ることは難しいけれど(そういう意味でP.S. I Love Youは異質)、舞台ではそれが可能で、特にミュージカルだと、音楽にあわせてかなりの頻度で舞台の表情を変えることができると。コメディーと感動と、喜びと悲しみのすべてをぎっしりつめても大丈夫、的な考えです。

そういう意味で、転世薫風のレビューに関して私の考えはやっぱりちょっとポイントがずれていて、むしろあぁいう言いたいことが詰まっていて、そのどれもが重要なので、均等に勢力を譲り合う、みたいな方法は、舞台ではむしろ王道なのかもな、と思い直しました。まぁ、DVDになってしまったものしか見てないので、どうにも話が良く分からなかった部分はしょうがないような気もするのですけれども。

Rentというミュージカルは、今のNYではオペラ座の怪人に次いで2番目に長く続いているショーで、確か現在12年目にあたるはずです。このミュージカルの生みの親であるJohnathan Larsonは、7年もの歳月をかけてこの作品を作り上げ、そして初日上演の前夜に自宅でたった一人で亡くなりました。ミュージカル中に歌われるすべての曲には、生きていくということは、死んでいくということと同義であり、だからこそ今を生きなくてはいけないというメッセージが込められているように感じます。長年を費やして完成したこの舞台が、これだけ長く大勢の人に愛されているにもかかわらず、Johnathanがこれを一度も見ることができなかったというところに、人の生死の避けがたい不条理を痛感せざるを得ません。

映画の感想がまだ書けないでいますが、いつか見るたびに泣けるこの映画が私にとってどんなものなのかを、うまく言葉にできたらな、と思っています。

Thank you, Johnathan Larson.



パチパチする


私が一番好きなRoger役Adam PascalのOne Song Gloryはコチラ
Rock SingerでもBroadwayにあがれるということを証明したパイオニアです。
最後の一音のやさしさとか、極端に心に響きます。