ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Minority is Reporting

先日このブログで、私バイかも知れません、という話をしました。
特に反応もなく、私の中では、あ、やっぱり別にそんなにたいしたことじゃないのだな、という風に受け取ったのです。
だいたいブログ主がバイだからどうなんだという話です。
わざわざコメントしたりはくすしたりすることでもない。

昨日のことです。
うちのオフィスでささやかなパーティーを開いたのですが、そこで、初めて、ひとがひく音というものを聞きました。ビジネスのパーティーではありましたが、かなりの割合でカジュアルで、お酒も入っていたからか、彼氏はいるのか、という質問をされたのです。周りには5人くらいの人がいて、そのうちの4人は女性で、一人が男性で、全員日本人でした。彼氏は現在気配も希望もない存在なので、「いないですね~。でも欲しいともあんまり思ってないんですよね」というふうに答えました。そして「私、実は彼女がいて」と言ったんです。

私の中ではその発言で話は終わりではなくて、「いや、彼女じゃないんですけど、存在的にもう付き合っているようなもので、お互いがいれば別に出会いはなくてもいいかなみたいになってしまっているので、それがまずいのかと思うんですけどね」と続くはずだったのです。
が、

そこでいっせいに人が引いていきました。

誰がどういう顔をしたとか、どういう行動をしたとか、そういう具体的なことではなくて、まったく感覚的なレベルで物事をいいますが、その場にいた人間が、仲良くなろう、近しくなろうという前傾姿勢だったのに、その瞬間、その発言を聞いた瞬間に、何百キロも先のほうまで遠ざかっていく音を、私は聞きました。

ショックでした。

ビジネスの場だから、彼氏や彼女の話はしない、ということなら分かるんです。
でも彼氏の話はしてもいいのに、彼女の話をすると引く、というのはどういうことなんでしょうか?

話の続きはきちんとしましたが、果ての果てまで逃げていってしまった彼らは、随分とその冗談におざなりな笑いを返してきました。
They are such jerks.

その後Mimiちゃんが来てくれました。
忙しいのに、私が救援要請の電話をかけたら1時間後にすっ飛んできてくれたんです。
I really wanted to say "Oh hey, this is my girl."
and I would have said that proudly.

臆病な私は、彼女を彼らに紹介もせず、隅のほうで二人で話していました。

正直多分、幻滅したんだと思います。
NYに住んでいる人なら、Gayの人には1日一人はすれ違うといっても過言じゃないと思う。
そして今回私が話していた人の中にはNYに15年住んでいるというツワモノもいたんです。

どれだけビジネスで成功しているか知りませんが
人間として、they have so much more growing up to doという気がした。

情けない。

そしてそれに傷ついている自分が情けない。
クローゼットから出てきている(英語でカミングアウトすることはCome outとも言いますが、Out of Closetと表現もします)人たちが、毎回こういう思いをするのかなと思うとやりきれない気持ちです。

私は身の回りの友人に恵まれてきました。「私バイかも」と冗談めかして話してみても「あ、そうかもね」で終わらせてくれる人ばかりでした。実際にまだ同性と付き合ってみたこともないし、異性に対してですら特に性衝動なんてものがあるわけでもないので、正直なところ自分の性癖がどうかなんてことは分かりません。でも、そうかな、そうだったらどうしようかな、と怯えている部分は正直に胸の中にある。そしてなぜ自分が、私バイかも、という考えに怯えなくてはいけないのかが、昨日目の前で証明され、立証されて、判決を下した感じです。

Minorityとはきっと、人数のことでなく、その他の大多数に怯えることを言うんだと思う。


パチパチをする