Music: Say You Believe - Amanda Kaletsky ←
Andy Roddickという選手が私に与えた影響というのは、
例えて言うなら、
朝陽とともに吸うひとつめの息のようなもの。
私の毎日は、
私は、
そこからはじまっている。
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ロンドンから帰ってきて、
力が抜けて、くたんっとして、
暫くダメになっていたんだけど、
力尽きたのではないということを
つい先月末くらいに気付いた。
私、ゴールしちゃったみたいなの。
ロンドンが、思った以上にゴールだった。
せっかくあそこまで行ったのに、
日常に戻ってどうする。
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もうこのままここに留まってがんばれる気がしない。
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とか思いながら2週間くらい経ってみた。
今度は平気になり始めている自分が怖い。
がんばれる気がしてきたら駄目なんだよ。
毎日に溶け始めた証拠。
馴れ合い始めた証拠。
平和ボケっていうの、それは。
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Andyがテニスを辞めました。
いや、テニスを辞めた訳じゃないのか。
ツアーを辞めたんだよね。
こんなことを考えているタイミングで、
彼がこういう大きな決断をするところに、
勝手に運命を感じて、勇気をもらう。
勇気。
勇気。
今必要なものは勇気。
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留まっている。
と感じた自分に責任を持て。
留まるな。
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他のおしごとを探そうと思ってみると、
純日本のお仕事は嫌だなって思った。
嫌だなって言うか、想像が出来ない。
日本で働くなら、今のままだっていい。
だけどここにこれ以上は無い。
これ以上はありえない。
だって、別にこれ以上を探したい訳じゃないんだ。
私は、これじゃない別の何かが欲しい。
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Andyは、世界で1位になってから、その先をずっと苦しんできた。
夢がかなったその先。
彼は結局、
もう二度と1位にはならなかった。
四大大会も勝たなかった。
怪我も多くなったし、
潔い決断をした。
手元に何が残ったのか。
"I loved every minute of it."
やっぱり全ての一分をがんばった自分なんじゃないかなぁ。
めげなかった自分。
逃げ出さなかった自分。
がんばることには、意味がある。
勝てなくて、負けて、
勝つんだけど負けて、
でも止めたことはなかったよね。
勝負しなかったことはなかった。
「らしくない」ということの記憶が、ひとつもない。
ぜんぜんない。
Andy Roddickというテニス選手は、
Andy Roddickという人でしかなくて、
いつも、いつのときも全力で戦う、
すてきなひとだった。
いい選手だった。
あなたはがんばった。
がんばったんだよ。
私は、
そこが好きだったんだ。
I loved every minute of you.
ばいばい。
ばいばい。
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信じること。
夢に続きがあること。
夢の続きを描くことができると信じること。
何だって描ける。
どこへだって行ける。
信じて。
信じなさい。
諦めるな。
がんばれ。
Andyへ。パチパチ。パチパチ。パチパチ。