ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Finding Neverland

Aです。あげちゃいます。よかったです。

Johnnyの“英”語がほんとにそれっぽくてすごいと思いました。パイレーツの時もBritishをしゃべってましたが、あの時は何せジャックスパロウさんだったから、微妙に上手いのか下手なのか分からなかったのですが(苦笑)、今回はまるで本物のイギリス人のようなアクセントで、ただでさえオージーとブリティッシュに弱いRoxieはさらにJohnnyに傾倒したわけです(笑)。ただやっぱりPeterを英語で発音するのは難しいようで、こればっかりは微妙に違うのがRoxieでも分かりました。でも一緒に見にいったKellyが、“He did such a great job on his accent!!”と言っていたので、かなりナチュラルだったんじゃないかと思います。まぁ本国の方が聞いたら、やっぱり微妙に違うと思うのかも知れませんが・・・。

しかし、イギリスが舞台の映画なのに、イギリスの俳優さんではなくてJohnnyを引っ張ってきたのにはそれなりの理由があるのでしょう。しかもきっとお金がたくさんかかったことでしょう(Johnnyはお金で映画を選ぶタイプには見えないけれど)。けれどどうしてもJohnnyに演じて欲しかった製作側の意思が見た後、とてもよく分かります。いわゆるハマリ役というやつなんだと思うのですが。

私は基本的にJohnnyの映画、数をこなしていないので、偉そうに俳優JohnnyDeppを語る立場にないのですけれど、彼は情熱を内に秘めた、冷静で頭の切れる役が上手いと思うんです。奇抜な役柄(シザーハンズに始まり)の多い彼ですが、なんとなくいつもアウトローで、激怒したり号泣したりするJohnnyというのはあまり見たことがありません。どこか達観したところがあって、内部での葛藤はあるけれどそれを相手に見せないというか(これは特にWhat's Eating Gilbert Grapeで顕著だと思います)。今回の話も、いっそピーターパン生みの親の恋物語を中心に据えてしまったら楽じゃなかったろうかとも思うんですよ。にっちもさっちも行かない日常の中に現れた美しい未亡人! という感じで。そして彼は成功を手に入れた、というメイン。けれどそうではなくて、Peterという少年の成長を追うストーリーをあそこまで大きく絡ませることはきっとはじめから決まっていたのでしょう。そうなってくると、そのストーリーの影を薄れさせない程度に愛恋要素を取り入れつつも、そこまで強調せず、しかしそこには葛藤があることは明言しておいて中途半端なサイドストーリー以上の印象を観客に伝える。Finding Neverlandは主旋律が二つある映画だと思うんです。大人になるということと、夢を信じて追い続けるということ。少なからず相反するこの二つを、打ち消しあうことなく観客に伝えるためには、やっぱりJohnnyでなくてはいけなかったのではないかと、ある種の必然性を感じる演技でした。

子供たちの演技にもうちょっと期待したかったところもあるのですが、周りを固めた役者の名前を見ると、まぁ、しょうがないかという気もします。とにかく質の高い映画でした。

絵柄的に、いっちばん最初の“Imagination”シーンは、「・・・ティムバートン?」と問いかけたくなったくらい微妙にトーンが違っていて、世界にちょっと入りきれなかったのですが、あとはノンストップで、特に最後は圧巻でした。よくできてた。泣きました。・・・映画館ではあまり泣かないタイプなのですが、やられました。お金がそこまでかかっていないだけ、演技がじっくり味わえるし、ゆったりした時間を提供してくれる映画です。お薦めです。

Growing old is unavoidable, but never growing up is possible.
Johnnyのインタビューより。(LIFEマガジン Dec. 2004)