ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Untamed Heart

予想外に古い映画でビックリしてしまいました。
特にパッケージ写真がやたらと古臭かったので・・・。
ビデオ屋さんのお兄さんが「あぁ~これ知ってるよ。僕が人生初めてのデートで見に行ったやつなんだよね」と言うから「どうだった?」と聞いたら、「それどころじゃなかった」という分かりやすい答えが返ってきました(笑)。

さて、ここからはいつもの映画レビューでネタバレもあることと思いますので、Untamed Heartもしくは「忘れられない人」について何も知りたくない方は、申し訳ありませんが他のエントリをお楽しみいただくことをおススメいたします(笑)。

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これってさ、何でスレーターが主演ってことになってるの? どう考えてもCarolineの物語だよね?

まぁ、いかにも純愛だけを描きたかった映画でしたね。分かりやすくてよかったけど。でもちょっと色々なことが、というか大体のことが突発的過ぎて、非日常色が強すぎたんじゃないかと思いました。もうちょっとゆっくりやっても良かったんじゃないかな。

それからAdamがあんなにストーカーチックである必要はあるのか? おうちまで帰り着くのを見届けるっていうのは良しとしても、部屋に忍び込んで寝顔を見てるっていうのは行きすぎじゃないの・・・? てかそこで素直に嬉しくなっちゃうなんて何て単純なんだCaroline!

正直、内容を知らないでの初見だったので、なかなかこのAdamを相葉ちゃんに置き換えてみていられなかったのですが、シーンの終わりごとに、あぁこれを相葉ちゃんがやるんだ・・・とか、これ相葉ちゃんがやったら絶対かわいい! と思ってはニヘニヘしておりました(うへへ)。私にやれって言われてもできないけど、でも比較的明確に分かりやすく、結構やりやすい役に思えますAdam。どっちかっていうと物語の軸は常にCarolineだし、それをどうぶち壊さないように静かに存在感を保てるかが重要なんじゃないかな。どれくらいこの映画に忠実に舞台を作るのかわかりませんが、もし素直に舞台化を試みるのであれば、相葉ちゃんは主演というか、目玉であって、演技の上ではどれだけ型に嵌って目立たずにいられるかが、私的には難しいんじゃないかなと思います。スレーターも相当トーンを落とした感じでの演技だったし・・・。正直、私の中の「寡黙」という定義が、もっと鋭さのある暗さを持っているので、ちょっとAdamのイメージが相当変わりました。当初はもっと裏相葉的なものを想像してウハウハしていたのだけど、そうじゃなくて、もっと単純に「無口」で迷子の子猫ちゃん的な「僕を愛してくれ」オーラを求められているのね。・・・ちょっとがっかり(裏相葉だいすき)。私的には、このAdamのちょっとオロオロしているところが、役の設定として気に食いませんでした。Untamedというのは「飼いならされていない」とか「毅然とした」と解釈するべきだと私は思っているので(特に移植をがんとして受け付けなかったところを見ても)、もう少し確固たるAdam像@相葉を希望します。

さて、映画を見て、ちょっと考えて、私、勝手に思うんですが、相葉ちゃんは、この役、結構うまくやると思う。・・・何様? って感じですが、映画のAdamを構成する要素は「純朴さ・いたわり・痛み・夢・儚さ・それからあんまりきちんと描写されてなかったけど毅さ」だと思うんです。

結構相葉ちゃんだったら頭や理屈じゃないところで、これが出来るんじゃないかと思う。

私が勝手に思っている相葉雅紀は、きっとAdamの手術痕を胸に負ったら、その痛みと、そこからくるいたわりというものを、とても自然に理解して表現できるような気がする。Adamの持つ生まれついての純朴さと、だからこそ夢焦がれた恋に生きそして死ぬ青年の儚さを、彼は分かっていそうな気がする。そして映画のAdam以上に、純朴さ故の彼自身の毅さが、自ずと染み出てくると思うんです。

相葉雅紀主演、の目線で見ていた私のUntamed Heartに於けるクライマックスは、AdamがはじめてCarolineと肌を重ねようとして、でもそのあったかさに泣き出しちゃうところでした。Adamが主役の映画だったら、私だったらあれをクライマックスに映画を撮るよ。でも、あれは、どことなく24時間テレビで、なんとかがんばって泣き止んだけど、翔ちゃんに抱きしめてもらって腰から崩れ落ちてまた泣きじゃくってしまった相葉さんを彷彿させたし、このシーンを演じる胸に傷を負った相葉さんを考えて、私は思った。

やっと知る人の暖かみに感極まって涙するAdam。
相葉雅紀は、人の暖かさの何たるかを知っているよ。
そしてそれをとても慈しんで生きている人だとも思う。
だから見なくても分かる。
あたしは知ってる。

このシーンの相葉雅紀は、間違いなくすてきだ。

その空想だけで胸いっぱいになれる私は、とても幸せなあいばかなんです。