ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Mamma Mia!

言いたい放題です。

Mamma Mia
Starring: Meryl Streep, Pierce Brosnan, Amanda Seyfried, Colin Firth, Stellan Skarsgard
Directed by: Phyllida Lloyd


あー、やっちゃった。という一言で済む映画。そしてまずいことに、てへへ、と言ってごまかせないだけの、豪華なキャスティングを用意してしまった映画。逃げ場のない羞恥。とりあえず、やっちゃった映画。

あのねぇ、演技がうまいから、歌っていても演技が出来るかというと、そういう問題じゃないんです。ミュージカルは、歌と演技の上手さが同じで始めて意味を成す。歌だけうまくてもおかしいし、感情表現だけうまくてもおかしい。

おかしいんですよ。
おかしいの。

いつからMusicalを映画にするのが、こんなにリスクのない作業だと思われるようになったんでしょうか? もうちょっと頑張りが必要だと思うよ、私は。ミュージカルって突き詰めれば、嵐の櫻井さんがかつて自虐的に言ったように「感情が高ぶりすぎて歌っちゃった」という恥ずかしさで構築されていると言っても過言ではないわけです。それをいかになんでもないことのように画面に納めるのって、それはそれは大変な作業だと思う。映画やドラマというのは、非日常をいかに日常的に見せるか、と言うところに観客を繋ぎとめるポイントがあるわけで、だけどミュージカルと言ったら完全な超非日常、超。というレベルをさらに超越した「ありえなさ」でいっぱいいっぱいなのです。道端で恋人に歌を歌い始める人はいないし、昔の恋人が舞い戻ってきて焦りすぎて歌っちゃう人もいない。だけれどそれがおかしくない世界を、面白く伝えるのが、ミュージカル映画なんだと思うわけです。

もー、大失敗というか。
私はひたすらイスの上でガタガタブルブルしてました。
笑っちゃいかん、笑っちゃいかん、と思い続けて私はもう死にたかった。
大声をだしてよかったとしても、いったいなんと叫べばよかったのか。
ブロスナンがS.O.S.を歌っているとき、
私は冗談でなく泣きすぎてシャックリが出そうだった。
ストリープが断崖絶壁の上で赤いマフラーをはためかせているとき
私はもはや廃人でした。

すごい映画でした。
おかしすぎた。

得体の知れない未確認物体が、貴方のからだのくすぐったくてたまらないところを、半永久的にくすぐり続ける拷問を体験したい方は、ぜひご覧になることを強くおススメします。

しかし何があっても、良い、と思えるABBAの曲はすごいね。
それを証明するための映画だったと言えます(苦笑)。それ以外のなにものでもなかった。

パチパチする