ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Savage

*パチパチたくさんありがとう*
*ごめんなさいお返事できるのがいつになるかもう分からない*
*でもがんばるよ*
*もうちょっとまってね*


If you need to crash and burn then crash and burn you're not alone.
Crash and Burn - Savage Garden



「アメリカにいるとね、なんか幸せになりやすいんです。」
5月のあたまにおでんをつつきながら恩師二人にそっと告白をする。
「幸せ基準みたいのがあって、自分のなかに。それがアメリカにいると下がるんです。なんかちょっと楽に幸せになれる」
もうすぐ定年を迎える先生が笑ってくれる。「幸せ基準ね。面白いね?」
「私、甘いですかね?」
「なんで。甘くないよ」
「そうかな」
「アメリカがおまえにあってるってだけでしょ」
「そうかな?」
「そうだよ」
アメリカに「帰りたい」と思っても、いいかな、と思った。
日本に戻ってきて、久しぶりに幸せになって、ちょっと泣きたかった。

「それはお前が外国人だからでしょ。」
と2週間後に父は言った。「みんなお前が外国人だから優しくしてくれるだけだろ。甘いんだよ」
たいへん貴重だったはずの私の6年間は、そんなにそんなか。
そんなもんか。

「アメリカ人にはいつまでたっても適わないでしょ。母国語じゃないんだから。」
翌日に自転車で空の下を走り回る。物凄く何かが溜まっている。
You are just so small. Just so small and can't get passed anything to see anything bigger and hopeful and wonderful. I pity you, and I'm sorry for you, and I'm so sorry for myself. And I really do feel that I'm justified to feel this way.
どれだけ母国語じゃなくても、この言葉は確かな私の真実で、そして父には伝わらない。うまくいかない。地団駄を踏む代わりに自転車を必死で漕いだ。がんばれば誰かに辿り着くかもしれない。

アメリカで学校に戻るのは、就職が不利になるから、選択肢からはずすことになった。これは世間一般で妥協というのだと思う。夢を諦めた。そうして私は現実を見る。
「将来性のない計画に投資しても意味が無い」
父のお金だから、父の言うことが正しい。
投資してもらったあげく、ものの見事にぽしゃった私。I'm never enough.
現実を見つめながら、夢を追いかけることは、どうしていつもこんなにも不可能なんだろう?
だけれどしかし、いつから私の明日が、会社のプロジェクトのように機械的になったのか、自分の部屋に入って考えてみたら眠れなくなった。
将来に将来性が無いっておかしいだろう。
そんなバカな話があるか。

自分で稼げばいいんだ。
そんな簡単なことなんだ。
ちくしょう。
あんまり淋しがるなよ。

13に出てから、ずっと帰るだけだった家のたんすに、今日アメリカで買った洋服をたたんで入れた。
何かがとても最終的で、もう戻れなくなった気がする。
泣きたくてたまらなくなって、目を瞑った。
私が住むべき場所はここじゃない。

こういうときに、いつも兄弟がいればよかったと思う。
同じ両親を持つ誰かに、側にいて、「分かるよ」と一言、言ってもらいたかった。

I crashed hard and burnt to crisp.
So why don't you come around and help me now, huh?