ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

白い手紙

Music: Aurora - BUMP OF CHICKEN

 

就業時間中、いまの仕事はとても面白い。
かつてない状況のさなかにあって、参考になりそうな事例を探すところから始める。
これまでの各人の経験を、いかに掛け合わせれば最大値の集合知を引き出すことが出来るのか。
たくさんの新しい、そしてもう二度と得られない学びの場だ。
何より人に恵まれている。
スクリーン越しでも目くばせをしながら、声を掛け合って、
きっと前だと思われる方向に顔を向けて
出来るだけ笑顔で
いっしょに進んでいく。

仕事が終わって一般市民に戻った時、
突然つらい。
しんどい。
たまらなくきつい。
会社で起こったすべてのことに疑念を持つ。
自分のアイディアも、文字にした意見も、口にした言葉も、耳にした会話も、
それを支えた価値観の何もかもが揺らぐ。
今日下したすべての判断が、社会的には間違いのように思う。
しかし何を正したら許されるのか想像もつかない。
不思議だ。
会社の一員ではあるのに
社会の一員である気が少しもしない。

私の勤める職場は
いかにしてこのプロジェクトを成し遂げるかということを目的にして作られている。
だからこのプロジェクトの価値や意義を
問い直すという機能はもともとないし、そういう場を今から作るという余裕がない。
プロジェクトの規模が大きいから、
完全に自力ですべてを成し遂げるということはもともとできなくて、
だから他の分野や業界に助けを依頼しなくてはならない。
それがなくては出来ないので、
それが出来ないということが、中止への一番明確な道筋のように思う。

仲間たちと捻り出す
前へ続く道の選択肢をひとつずつを
明確に
絶対的に
捥いでもらって、
削いでもらって、
だからね、できないね、と諭してもらうのを待ちながら
また会社に行く。
会社なら一人ではない。

スポーツという行いが、見ている人に勇気や元気を与えるとしたら、
それは自分と同じ重さの命をもった生物がやっているからに他ならない。
等身大でない、自分よりも優先された身体が飛んだり跳ねたりしたところで
それはもはや他人事で別世界の何かで
そこにインスピレーションはない。
競技スポーツが自分事ではなくなった社会に
この大会からレガシーなど生まれるはずない。

体を動かすことの歓びや、
今の自分の最大限を目指す努力の価値が損なわれないためにも、
このイベントは社会から隔絶されてはならないし、
コミュニティの中に受け入れられていなくてはならないと思う。
いま強行することで、アスリートや競技というものの見られ方が変わっていくのなら
それはスポーツという業界にとって致命的なものなのではないだろうか。

まとまらないまま、
このエントリを終わる。
いつかきっとこの日々を振り返って考えて
この話をきちんと着地させることができるように
ちゃんと生きていようと思う。