ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Aviator, the

大変個人的な理由でAなのですが、人によって感情移入が大変難しくてまるで見ていられない映画かもしれません。しかし例え主人公が万人受けでなくても、丁寧かつ大胆な描写なので、映画館で見ることをぜひお勧めしたい映画です。

さて、何を見るかも決めずについてしまった映画館、ほかに見たいのがなかったので、場所もあろうに本屋で2時間も待つ羽目になりました。が、その価値のある佳作です。
いろいろな意味で、予想とはぜんぜん違った映画でした。
悪役サイドが役不足で、味気ない起伏がいくつかありましたが、それを補って余りある役者陣です。完璧に動の役者であるディカプリオは、剥き出しの感情を伝えてくる部分にかけては一流だと思います。怒りの表情ってこの人の顔立ちからしてとても撮りやすいんじゃないかなとずっと思っていましたが、ギルバートグレイプや仮面の男を経て、未だに、どこか壊れてしまいそうな、危うい少年的な部分を丁寧に演じられるところに、感銘を受けました。あの声はあの声でいいのかな、と思うような、幼い表情を見せたあるシーンは、秀逸だったと思います。
うるさくないJohn C. Reillyの演技も素敵でした。この人好きなんです。いるだけで安心する役者さんというか。
特筆すべきは女優陣。Cate Blanchettはもちろんですが、Kate Beckinsaleがああいう演技をするとは思いませんでした。映画を見ずに、役者と役柄を聞いたら、ミスマッチだと思ったと思うのですが、実際はかなりのはまり役だったように思います(衣装が不明でしたが)。
映像の豪華さ大胆さ広大さに加わったちょっと痛いけど丁寧な描写は、スコセッシに拍手です。印象に残った画がいくつもあります。

とりあえずはビッグスクリーンの映画です。ちっちゃなテレビだとちょっとつまらないでしょう。
心理的にくる映画なので、危ういときにはいかないほうがいいと思います。落ち込む映画かもしれません。でも私的には、どうしようもなく分厚く見えたあの部屋のドアを、自分からひとり、そっと開けた彼に、しっかりしよう、とパワーをもらった気分でいます。

最後に、Howard Hughes氏に大変興味を持つ結果になりました(笑)。
いつか本があったらぜひ読んでみたいと思っています。

p.s.
Quarantine.