ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

2年目のジレンマ

ここ数日ずっとイライラしていまして、理由として思い当たることはあるにはあったのですが、もうアメリカ生活2年目だし今更そんな、と思っていました。今日久しぶりにESL時代の日本人の友達(現オレゴン在住)と電話で話し、これはやっぱりそうだよ、という結論に達しました。
私どうもカルチャーショックの真っ只中にいるようです。

私はかなり古風な考え、というかある意味かなり真面目なのか知らないですが、好きでも付き合ってもいない相手にキスをするのはバカの極み、と信じてやみません。セックスに至った場合は喜んで「アホの殿堂入り」を宣言させていただきたいと思っているくらいです。しかしながら、お国柄なのかCAだからなのか、たまたまなのか、私の周りにはパーティーに行ってお酒を飲んで、Make Out(とっても濃厚なキスとか)をして「HOTな男(または)女とキスをした!」とよく早朝に凱旋する人が多いのです。・・・だからどうなの? と聞き返してやりたいのですが、皆さんその人の周りに集まって、興味シンシンに「どんな人だったの?」「電話番号はもらった?」「次のパーティーはいつ?」と聞き続けるものなので、初めのうちは「それで、付き合ってんの?」と質問したりもしてたんですが、その質問がどれだけあほらしいかということに気付き、最近やめました。別に付き合っているわけでも好きでもない、というかよく知りもしない相手にキスをして、気持ち悪くないもんなんでしょうかね。私は現在彼氏も彼女もいませんが、だからといってパーティーに行って楽しもう! という気にはなれません。理由のひとつに「行って楽しむ」という定義があまりにもセクシュアルすぎて、私はその道楽にあんまり興味がないからというのもありますし、行ってどうするん、という気もします。そこにいるのは飲んで酔ってキスして寝るのが目的な人ばかりなわけで、もちろんそこで出会って仲良くなってよい友達になることもあるんでしょうが、私にはそういう友達はあんまり必要ありません。日本にいた頃に比べればそりゃ友達の数は断然少ないですが、私は友達欲しいと思っているだけで、別に必要としているわけではないので、わざわざそんなところくんだりまで出かけて、好きでもない酒を飲み交わし、キスをしないとなれない友達には興味ありません。

別の話になりますが私のアメリカ人の友達にはなんと1/5の割合でAnti-Depressionの薬を服用している人がいます。こちらではセラピーやカウンセリングなんかがとても進んでいるので、気分が落ち込んだ時とかにカウンセラーに話しに行くのは珍しいことでもなんでもないようです。しかし私は前から、どうしてカウンセラーに話しに行く人数は多いのに、Anti-Depressionの薬までこんなに出回っているのか、とずっと不思議でした。だってカウンセラー役に立ってないってことじゃないですかね。さて、最近この疑問に結びついてきたのはアイダホに行った時にふとしたことから発見した日本との違いでした。アメリカではHRクラスの存在意義が日本に比べて大変薄いのが普通で、私達がやるように文化祭にクラスで出し物をやったり、体育祭でクラス対抗をやったりという団体行動はあまりありません。日本だと高校2・3年になるとどこの学校でもそうだと思いますが選択授業が増えますよね。アメリカは朝から晩まで選択授業状態で、自分のクラスに戻り、自分の席に座り、毎日同じ誰かの隣に座ったりすることがあまりないそうです。日本だと決まった席があり、毎日隣に座る特定の誰かがいて、時にはクラスの中でも班毎に食事当番があったり掃除当番があったり、授業以外でも必ず毎日会話をする誰かというのは多いはずです。しかしアメリカはご存知のように自由主義を掲げているので、クラスの中でもくじ引きなんかで決められた班行動というのはまずありません。私の学校のように好きなもの同士の班ではないけど、それでもなんとかうまく付き合って、学校行事のキャンプをしたり、研修旅行に行ったり、ということはあまりないようなのです。自分と同じクラスを取っている、自分の好きな誰かと、自分の好きな目的で、何かを成し遂げる、という独創性が評価されるからです。さて、こうなってくると、自分が一緒にいたくない相手と、自分がやりたくないことにどうやって取り掛かればよいかは一体どうやって学ぶものなのでしょうか。大学という大きな枠組みや社会に出たときに必ず生まれてしまう「できれば付き合いたくない他人」との摩擦は一体どうやって解消する術を学ぶのでしょうか。・・・それにうまく対応できない人が取らざるを得なくなるのがひょっとしたらAnti-Depressionなのでは、と最近思い始めています。

私はカルチャーショックというものはショックというくらいだから渡米直後にビビビッ! となって終わりなんだろうと思っていました。私にはそのビビビがまるでなかったので、のほほんとしていたのですが、最近やっぱりこれはひょっとしたら・・・と思うようになりました。今更感が非常に強いのですが、まぁ否定したところでしょうがないのでこれはきっとカルチャーショックなのでしょう。まだホームシックには至っていないので、なんとかやっていけると思うのですが、渡米して2年経ったことを考えると微妙な気分です。2年もたってホームシックなんて、鈍感もいいとこだぜ自分、みたいな。
くだらなく聞こえると思いますが、自分的にがんばれそうな気配は大事にしたいので記録のために書きます。高1の時私は未だに原因のよく分からない不安定な時を過ごしまして、自分で言うのも変ですが、結構危ういところまで行っちゃってたところがありました。その時出会ったのがBackstreet Boysです。彼らの曲もそうですし、彼らの声もそうですし、彼らの歌う英語もそうですし、とにかくどこか麻痺していた自分の感情にまっすぐに語りかけてくる何かがありました。ちなみに一番キた曲はMissingYouでした。まだ不安定な部分もありましたが、ガンガン泣いたのが良かったのか、結構すっきりして学校にもそれなりに休まず通い始めました。そしてBSBを聞き続けるうちに、彼らの歌う英語がすごくなんだか美しくてカッコよくてステキなものに思えてきたわけです。そのまま洋楽街道を突っ走ることになったわけですが、その歌詞を聴くうちに、直訳できないからこそできる感覚での解釈に溺れ、まま英語大好き人間に成長し、アメリカに渡りました。他にも好きな音楽はいくつもありますが、高校時代から4年間半、BSBは私にとって常に特別なバンドであり続けてきました。さて、前の日記にも書きましたが、その彼らが4年半の沈黙を破り今年の夏アルバムNeverGoneをリリースします。勝手な思い込みですが、アメリカ生活にちょっとした嫌気を感じ始めた私が原点に立ち返る、ホントにすごい神がかり的なタイミングだと思いました。今のアメリカの音楽シーンを考えれば考えるだけ、彼らがカムバックをあきらめず戻ってきていることがちょっと信じがたいくらいです。初心、忘るるべからずで、もう一度英語に溺れなおして、貫徹させたいなと心意気も新たにしております。