ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street

sweeney todd
Starring: Johnny Depp, Helena Bonham Carter, Alan Rickman
Directed by: Tim Burton

非常に今更ですが、新年明け一発目に、Sweeney Toddをみました。

新年のめでたさの欠片もない映画です。Rでミュージカルというところですでにシュールです。内容はそれを超えたシュールの極致です。やりきってしまった感でいっぱいです。お酒に飲まれたあたりでぜひもう一度見たい映画です。しらふで見るのはもったいない。非常にお金のかかった趣味の映画と思ってみてあげたらいいと思います。バートンとDeppが楽しそうで楽しそうで微笑ましく下らない。シュール万歳の方が見に行ったらいいと思います。何かを求めて観にいくのはやめましょう。

この二人が組むと、恐らくはプロデューサーの思惑がどうであれ、少なからずシュールに突き進んでいくきらいがあるのは明らかで。今までそもそもこの二人が組み続けて、あくまでもPGの映画を作ってることがおかしいわけで。チョコレート工場の秘密とか、ムリしてPG13にする必要もなかったんだけどね。楽しんでたのは間違いなく大人だけで、ウキウキで見に来た子供たちはどう反応したらいいのかわからず完全に豆鉄砲食らって終わりですよ。かわいそうに。あの映画ほど中途半端なモノもなかったと思うけれども、今回はついに、やるとこまでやるぞ! という気合の入った作品でしたよ。

完全にイっちゃってるデップの楽しそうなことったらないね! ハッと我に返るシーンとか、見てるこっちが嬉しくなるくらいでしたけど。やってやった! みたいな。バートンも萌え萌えしてたんだろうなぁ。趣味まる出しの妄想シーン。デップin囚人服。グッジョブ!

音楽がよくないのは別に彼らのせいではありませんが、それもまたいい加速剤になってたと思うんですよね。一体何がよくてこの舞台を映像化したかったのかはさっぱり謎なままですが、そこがまたシュールでいいよね。まぁそれくらいしか誉めるところがない映画だったけどね。シュール。それに尽きる。

真面目に見てはいけない映画ですよ。3杯くらい引っ掛けてったらちょうどいいくらい。家で見るならきちんとおつまみも用意して。オスカーにノミネートされたなんて! と思って見に行ったら天罰が下ります。評論家のみなさんは単なる石頭の塊です。賞をもらうような映画じゃないよ。すごいトコなんて何一つない。そもそも作り手が、どこを素晴らしくしようとか、どこで観客をビックリさせようとか、そんなことはまるで考えてないからね! だからこそいまどきのハリウッドに珍しく、観客に媚びを売らない、自分たちのテイストを大事にしたユニークな作品であると、誇りを持って言えるわけです。それでこそバートンとデップの組む意味があるってモノでしょ。

次の作品はきっとまたPGに戻りそうな気がするけどね。


相手役の女優さんが大竹しのぶに似てる。と思う。