ONE VOICE

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ヤッターマン

そうだった、もう公開になったんでした。
今だからいえる話シリーズのEp.4がなかなか書き終わらないので、
あきらめて先にエントリしちゃいます。

ネタバレはないですが、
白紙で見たい方は、ご注意下さい。


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*ネタバレはありません*
*だけど辛いです*
*原作のアニメを知らない人間です*
*ヤッターマンヤッターマンの映画なのだと、素直に信じて観ていた素直な人間です*


以下、自己判断でお願いします。


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これは、ドロンジョの間違いなんじゃないでしょうか、この映画のタイトル。

ヤッターマンを追いかけていると、成長も進歩も進化も開拓もまるでないので、物凄く話が進まないのです。果てしなく鈍行な映画だな、と思っていると、なんとそのまま終わってしまう。うそー? と思っているうちに、Believeが流れて、私は完全においていかれるのです。何だったのこの映画。

三池監督が「この映画にヒーローはいない」ということをおっしゃっているインタはどこかでも読んだし、プレミアでも実際に聞いたんです。「誰も完璧なヒーローではなくて、だからこそ誰だってヒーローになれる」というような。確かにヒーローは別にいなくてもいいんだけど、しかしやっぱり主人公というのは話を語る上で必要なわけで、そう考えるとやっぱりこれは、深田さん主演の、ドロンジョ様の映画だったとしか思えないのです。ヤッターマンは、脇役だろ? しかもたぶん脇役その4くらいだった気がする。

The Dark Knightのときにも書きましたが、結構な層に話を知られている原作を起こして作る映画や、連作の第2弾とか3弾とかって、きちんと万人向けに説明するか、分かる奴だけ楽しめばよろしい、という傲慢な態度で突っ走るかのどちらかの手法がとられると思うのです。大抵は潔くあきらめた後者のほうが作品としてまとまります。説明しているとペースが乱れやすいし、人物描写が箇条書きになってしまうので、キャラクターに面白みが出にくい。脚本さんが相当がんばらないと、魅力的な人間にならないのです。映画って言うのは、2時間口も挟まずにひたすら相槌打って主人公の語る物語を聞き続ける行為なわけですから、まずは主人公に、それに値する魅力があることはマストなわけですよ。

ヤッターマンのどこが素敵なのかがゼンゼン分からなかったんですけど。

・・・顔だけよければいいってもんじゃないんですよ(笑)。確かに櫻井さんは素敵だけど。

最終的に思い返して分かるのは、箇条書きに説明されたヤッターマン軍団はそれ以上膨らまなかったけれども、まるでどこの誰かも分からないドロンボ一味のほうが遥かに色彩と光沢にあふれていて、共感できた、ということです。彼らの感覚がきちんと分かる。ヤッターマン側のみなさんの最大の問題は、意味のある会話がまるでなかったこと。全てが脳内処理で個人解決。勝手に嫉妬して、勝手に落ち込んで、勝手に思い立って、勝手に立ち直るのです。もう、なんだか、ご自由にどうぞ! という気分です。知ったことか、と思ってしまう。だけど映画ってのは心配して何ぼなのです。面白くないのですよ、勝手に元気になられては。

CGはやっぱり凄かったんでしょうね。あれだけ駆使していて、気にならないだけの画像と言うのは相当の技術がつぎ込まれているのだろうなぁと思う。だけど正直Transformersを見ちゃった後だと、あれくらいは出来て別に当たり前なんじゃないの? という分からんちんな素人の我侭でもって、その威力が半減されてしまった。だいたいTransformersの何が凄いかって、CGにあれだけを費やしておきながら、脚本にも時間と労量がきちんと注がれていて、安易ながら話がきちんと成立しているところ。ヤッターマンは一体何を語った誰の話なのかがそもそもゼンゼン分からなかった。

私は櫻井さんを見に行って、その難解度にかなりのダメージを受けました。
なので深田さんを見に行くことをお勧めします。
そうすれば、もうちょっときちんと成立する映画なのだと思う。

パチパチする