ONE VOICE

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Andy @ NASDAQ-100 Open

http://www.asapsports.com/tennis/2004nasdaq/040404AR.html
NASDAQ-100 OPEN
MIAMI, FLORIDA
April 4, 2004
FINAL
A. RODDICK/G. Coria
6-7, 6-3, 6-1 (ret.)
ANDY RODDICK


彼は昨年の5月から、進出した決勝戦のすべてを優勝で飾ってきています。今大会の優勝はATPマスターズシリーズでの3度目の優勝となり、この大会を制覇する6人目のAmericanになりました。Andyに質問をどうぞ。

コリア(対戦相手)が背中をいためたことについて、ラッキーだったと思います?

あー、棄権されて試合に勝つってのはどんな時であれラッキーなことだよ。予想とは違うし、理想とはどうしようもなくかけ離れた勝ち方ではあるよね。こんな風に大会を制覇するっていうのは誰の望むやりかたでもない。だけどそれと同時に、僕が今日、試合を終えてここにいるってことも忘れちゃいけないと思う。それがこの大会で僕の目指してきたものだったからね。


ここにいる何人かは、きみの試合をずっと見てきてるけど、ラインコールに不満を持ったとたん、試合が突然攻撃的になるっていう現象が起こるところも何度か見てきてる。今回、線審を睨みつけてた場面があったけれど、今日もそんな感じだったかな?

分かんないよ。それは単なる偶然とかなんか別のものかもしれないし…。ただ、彼が怪我してたなんて、ほんと不思議だよ。どのショットに影響が出てるのか探ろうとしてみたり、僕のなかでは彼をもっと走らせたりして、まあある意味、ケガで出てきた弱点をついてやろうなんて部分があったりしたけど、向こうはちゃんとラリーを返してくるし、ゲームをしっかりこなしてた。だからセカンドセットの半ばくらいに、コリアが怪我してるなんてことは忘れることにしたんだよ。「Okay、相手は全然元気で、プレイするにもまったく問題なんてない」って思い込もうとしたんだ。自己暗示の賜物さ。


かぜはけっこう強かった?

いや、いままでの中ではいちばんましだったと思うよ。他の2試合なんかは特に大会の中でも最悪の日に当たったんじゃないかな。あれはもうどうしようもなかったし。今日の風は試合に影響するほどじゃなかったよ。


テレビでのインタビューでおなかの調子がよくないっていってたけど?

よくわかんないんだけど今朝からなんか調子がおかしくってさ。でもまあ、ぼくは決勝を戦ってたわけで、相手が怪我してるのも分かってたから、自分の体調は万全サ!ってはったりをかまして試合をいただこうとしたわけだよ。ただ、そのインタビューでもいったけど、ハラこわすなんてのは必ず治るものだし、自分でもそれは分かってるじゃないか。でもケガってことになると、どれくらいひどいケガかとか、プレイを続行したらすごく悪化しちゃうんじゃないかとか、自分では分からないわけだよね。ってなわけで、ぼくが戦ってたのは間違いなく楽なほうの反乱分子だったと思うよ。


その反乱分子を抱えて、試合が始まった時はどんなことを考えてた?

試合をしようと思ってたよ。なんとか切り抜けようって。どっちに転ぶか分からないけど、腹痛を抱えて、でも試合はしなくちゃだろ?腹痛が致命傷になるってこともないだろうしさ。だから試合をきちんと終わらせられるってのは分かってたけど、もちろん全てがいつもどおりってわけには行かなかったね。


第2セットできみに流れが変わったよね。攻撃性を残しつつ、がまん強いテニスになったと思ったんだけど?

がまんなんてクソくらえだって開き直った部分があると思う。何ていうか、第1セットではあんまりゲームプランっていうかそういうものがなかったんだよね。じっくりラリーをつなげたかと思えば次のポイントで全然関係ないことをやらかしたりとかさ。だから「ちょっと待った、よく考えろって。ガンガン打っていくか、じっくり待つか、どっちかにしろよ」って。その時はじりじり待つよりもガンガンいったほうが絶対楽しいと思ったから、そうしたんだ。


ギルレモ(・コリア)は第1セットのあとで、最後まで試合を続けられないって分かっていたといっていたけれど、5セットマッチはムリじゃないかときみは思った?

僕のほうは、(コリアに第1セットを奪られていたし)3セット先取の試合でよかったと思ってた。だけど相手はなんとかプレイしていたし、ポイントもちゃんと取っていたよね。(僕がちょっと戸惑ってる所に)つけ込んできたのにはお手上げだったよ。ブレイクなんかされてたら
大変なことになってたかも知れないけど、まあ、それは分からないし…だけど、まあ、この試合が5セットマッチで、3セットとらないと勝てないっていうのは、間違いなく僕に有利だったよ。


JohnMcEnroeと試合をWorldTeamTennisで1セット試合をしているよね? それ以外で彼と試合をしたことはある?

McEnroeとはそのときだけだよ。


どんな感じだった?

おもしろかったよ(それだけかい!)


どんな風に? (何でこの人は優勝インタビューの席でこんな突拍子もない質問をしてるんでしょうか…?)

あんまりよく覚えてないよ。3年くらい前のことだし… でもすごくいい人だったよ。楽しみにしてたことでもあったし。僕がDavisCupで練習相手だったときもすごくいい人だったんだ。憧れの的になってる人とテニスするってのは楽しいもんだよね、その人のテニスを見てテニスをしてきたわけだから。


では、今日の試合の話に戻ってですね(嫌味~)、最後のポイントが終わってリタイアになった時のきみの心境を聞かせてくれる?

あと少しだっていうのは分かってたんだよね。第4セットの1stゲーム(コリアのサービスゲーム)0-30でリードを取ったときに「あと2ポイントでブレイクだ。そしたら多分リタイアになるだろう」って思ったんだよ。ま、実際はあと1ポイントだったんだけどね。ある意味早めに棄権させようとしてた所もあってさ、なんていうか、ノックアウトパンチをお見舞いしようとするつもりはなかった、なんて言ったら嘘になるけど…対戦相手が怪我してる時に勝っても、その喜びっていうのはあんまりいいもんじゃないよね。
(…Catch-22という映画があるそうですが、そのことを言っているのかどうかはよく分かりません)


(アルゼンチンの)ファンが旗を振ったり、声をあげて(コリアを)応援していたけど、気にならなかった?

いや、全然。すごくいいことだと思ったよ。応援団とかすごかったよね。そりゃ彼らは僕を応援してたわけじゃないけど、むしろすごく気に入ったよ。いい雰囲気の中で試合ができたし、こういうことがもっとあればいいと思う。それが対戦相手の応援でも、すごくありがたいと思うよ。


敵がうつぶせになってマッサージをうけてるのを見るのはどんな感じだった? そのあとに80mph(すごく遅い)のサーブを打ってきて、対戦相手としては、どんな気がするのか教えてくれるかな。そういう相手に本気でぶち当たっていくのは難しい?

やりにくいよ。コリアは怪我さえしてなければ、自分ではいいボールを打ってるなと思えていても、ベースラインなんてとっからやたら難しい所にボールを入れてきて、実際いいボールを打てなくさせられるんだ。例えいいボールが打てたとしても、タイミングを見つけ出さなきゃいけない。サーブがあんなふうに遅かったら…大体サービスは彼の必殺技じゃないけど…でも何かがおかしいなとは思ったよ。どんなやり方にせよとりあえず全力でぶつかっていくしかないって吹っ切れるまではやっぱりちょっと時間がかかったね。


コリアが怪我をする前と後でなにかプレイに影響は出てました?

すぐには分からなかったけどね。(第1セットの)タイブレークは特に問題もなくプレイしていたよね。あのタイブレークでのコリアはホントにすごかった。だって(タイブレークスコア)6-5でコートチェンジの時には椅子に座るのでさえ痛そうにしてたんだよ! それでもコートに立ったら、君たちも見たように走り回って、ひょっとして怪我なんてしてないんじゃないかなんて惑わせたりしてさ。僕もヘンに考えすぎちゃったけど…。でも時間が経つにつれて、やっぱりおかしい、いつもと違うっていうのは分かってきたよ。


もし今日コリアが怪我もなく試合を続けていたら、危なかったと思います? 試合はどう変わっていたかとか。

長くなってたんじゃない?(笑)


どんなコーチも「例え相手が怪我しても気にするな、いつもどおり、それまでどおりのプレイを続けろ」と教え込むものだけど、実際それまでどおりにプレイするというのはやっぱり難しかった?

あー、簡単ではないよ、もちろん。もし僕が第1セットのタイブレークをとったらそれで終わりにするんじゃないかななんて85%は信じてたんだけど、そんなこと考えてたらタイブレークの1点1点がいつもよりも余計に大きなものに思えてきた。そのうち相手が怪我のせいでミスったり、ボールに追いつけなかったりして、点数が転がり込んでこないかなんて期待をし始めちゃって、点を“獲る”ってことを忘れちゃうんだ。そういう意味では第1セットのタイブレークはなかなかやりたいようにはいかなかったね。


コーチといえばだけど、今日の勝利でコーチのBrad Gilbertがテニスの歴史にただひとり「(NASDAQ-100で)プレーヤーとしてタイトル、コーチとしてタイトル×2を達成した人物」として残ることになったよ。それは気付いてた?

本人は一体何のタイトル獲ったの? ダブルス?


そう、ダブルス。

こんなでかい大会のダブルスで優勝なんかしてたわけ?


勝戦で相手が棄権したんだよ。

やっぱりな、どうもおかしいと思ったんだよ(笑)。ここで勝ったってこの一週間ずーっと自慢しつづけてたけど、相手が棄権したなんて一度も言わなかったんだぜ(笑)


この大会の決勝戦に反乱分子はつきものってのは知ってた?

知ってたよ。


イワニセビッチ

首をいためてたんじゃなかったっけ?


サンプラスは胃の調子がおかしかった。

でもサンプラスは勝ったよ。


曰くつきの決勝戦を戦うに当たって他のみんなに何かアドバイスは?

あー、どうかな、分かんないよ。決勝前日には特製ベッド(Tempur-Pedicってナニ?!)で寝かせてあげるとか? 安眠まくらとかはダメ?


コリアのドロップショットはかなり驚異的だけど、試合をしていくうちにそれも読めるようになっていった?

コリアといえば、まずそれを考えるよね。彼はさりげなーくそれを打ってくるのが上手いし、ちゃんと決めてくる。だから、ぼくはとりあえず長めに深いショットを打つようにしてドロップショットはできるだけ打たせないようにしたよ。深いボールをドロップで返すのは難しいからね。でももし僕が短めに返したりすると、向こうにはドライブをかけるか、ドロップで落とすかのオプションが生まれてくるんだ。


コリアはハードコートでタイトル獲れそう?(コリアはクレイ育ち)

そりゃマスターズシリーズで決勝に出てるんだからね、間違いなく近いところにはいると思うよ。怪我してても第1セットをとったわけだし、もう間違いなくタイトルのすぐそこまで来てると思うけどな。


コートチェンジの時に、君が早めに席を立ってコートで待ってるってことが何回かあったけど、あれはコリアに、リタイアしたらどうだい的なメッセージでも送ってたの?

あれは単にもう十分休んだかなと思ったからってだけで…僕は別に怪我してたわけでも何でもないしさ。それにおなかの調子がやばくて4分間もずっと座ってると大変なことになりそうだったから、コートの具合でも見に行ってやるかと思ったんだよ。(ADDが実際何のことかご存知の方はご連絡ください)


怪我の前のコリアのプレイはどんな感じでした? いいプレイだった?

なんて?


怪我をする前のコリアのプレイが、怪我をしてからに比べてすごくよかったとか、どれくらいのレベルのプレイをしていたとか…

そりゃ、コリアのテニスはすごくハイレベルだよ。自分のショットが打てなければ、コリアに点が入ってしまう。第1セットはずっとそんな感じだった。コリアが壁で、ひとりで壁打ちでもやってる気分だったよ、何を打っても返って来ちゃうし。勢いに乗るのがすごく難しい試合だったと思う。あるポイントではすごくいいプレイをしても、次のポイントではそうはいかない。一体どうやったらあれだけたくさんのボールを拾ってこっちのコートに返せるんだろうとだんだん不思議になってくるくらいだよ。彼はすごくいいテニスをしてたよ。


今年、これから先のことも考えて、今日の試合はどれくらい大きな試合だったと思う?

この大会は僕にとってすごく意味のある大会だったと思う。ここ3週間とか4週間くらい、ずっと大きなタイトルが必要だとか、ずっと君たちにも話してきたけど、この大会のおかげで、今年もAndy Roddickが健在だってことを証明できたと思う。それが今の僕に間違いなく必要なことだったから、今回の大会はすごく大きなものだったと思う。


McEnroeに関して最後に1個だけ質問させてくれるかな。World Team Tennisで彼とプレイした時に、彼のプレイスタイルが何か、やりにくかったなんてことはなかった?

プレイスタイル? サーブアンドボレーヤーだろ?


そう、それについて何か。

正直言ってクレイコートでのたった6ゲームのエキシビだから、うまいことは何もいえないよ。


モントリオールで勝った時はブラッド(コーチ)とスカイダイビングをしに行ったり、きみはタイトルをとったあとの「お祝い」がユニークなことで有名だけど、今回の予定は?

ブラッドが何か考えるんじゃない(笑)? 決まったら教えるよ。


もし今日相手が怪我もせずに万全の状態だったら、それでもやっぱりタイトルを獲ることはできたと思う?

それは…難しい質問だな…だって…誰にもわかんないだろ? 結局は僕が持ち直して、自分の打ちたいショットをきちんと決められたかどうかにかかってるし、怪我をしてないギルレモがどんなプレイをしてたかなんて、誰にも想像できないよ。これだっていう答えは思いつけません。


次の週末にDavis Cup(男子テニスの国別対抗団体戦)があるけど、その後のヨーロッパでのクレイシーズンはどんなスケジュールになってるの?

まだちょっとわかんないんだよね。明日ブラッドと話し合って決めると思うよ。今のところはとりあえずハードコートとDavis Cupのことを考えてるけど、とりあえずHouston(クレーコートの大会)に行くのは間違いないよ。でもその後はまだ決まってないんだ。もちろんMasters Series(大きな大会)には出場したいよ。でもとりあえずはこれからブラッドと相談して決めるよ。


2週間連続で大きな大会が続いてるけど、デ杯の後に休みをとったりはしないの?

しないよ。単なるテニスゲームだよ。それが僕のやってることだから(笑)。


クレイコートでの大きいタイトル、そろそろ期待できそう?(Andyはクレイコートが苦手)

どうかな。“相性が良くないで賞”はもらってると思うんだけどね(笑)。でもどうかなあ。クレイコートは間違いなく僕にとっては越えなきゃいけないハードルではあるけど、それをちょっと楽しみにしてもいるんだよね。いくつかちっちゃい大会では勝ったこともあるけど、もちろんもっと大きな大会でも勝てればいいなとは思う。できるようにがんばります。


デ杯についてお願いします。

話しだすと長くなっちゃうような大会だよ。


じゃ長めに話し出してください。

そうだな、僕の大きな目標であることは間違いないよ、チームでデ杯を勝つってことはね。僕がまだガキだったころに試合を見に行ってから、ずっとファンだった大会なんだ。僕のテニス人生の中で間違いなくでかい場所を占めてるよ。


その最初に見に行った試合っていうのは?

Fort Worthでのスイス戦だよ。92年の。


(デ杯のある)週末まではどうやって過ごすの? 気持ちがノリノリではじけそうだけど?

まだ考えてないよ。明日は多分練習しないと思う。火曜日(あさって)あたりからまた打ち始めると思うよ。精神的な面では、単なる別のトーナメントのつもりでやっていくつもりだよ。今週この大会があったおかげで、次週のデ杯に備えて精神的にも準備万端になれたのはありがたいと思う。


シングルスにはVince Spadeaをえらぶべきだったと思いますか? (選ばれたMardy Fishより、ここ最近の成績がいい)

僕はあんまり気にしてないよ。選手を選ぶ権利があるわけでもないし、何ができるってわけでもないからね。