ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

Josh Groban

1981年2月27日LA生まれ。天性の声を持った天性の歌手。17歳の時にデイビッド・フォスターに衝撃を与え、そのまま99年のグラミーリハでアンドレア・ボッチェリ(この人も好き)の代役に抜擢される。で、セリーヌ・ディオンと歌い、これまた衝撃を与える。01年にフォスターのプロデュースでセルフタイトルのデビューアルバムをリリース。02年の冬季オリンピック閉会式にてシャルロット・チャーチとデュエット、今度は世界に衝撃を与える(笑)。その後ドラマに出たりイベントで歌ったりとしているうちにそれなりに有名になり、2003年にリリースしたアルバムCloserが全米1位になるという快挙を達成(適当ですまん)。

 この人の何がすごいって、生であれだけ歌えるのがすごいですよね。あれだけの声で、あれだけの思い切りで、あんなにうまく歌えたらどんなにか気持ちが晴れるだろう。本当に切ないくらいうらやましく思います。ジャンル別けの難しい曲を歌っていますが、その好き嫌いは人によるとしても、いい声であることは万人が認めるところでしょう。温かみがある。深みがある。伸びる。大胆で。繊細で。こんな陳腐なほめ言葉などいらない、声という声を持った、ボーカリストです。歌手というよりも、ボーカリスト

 IrvineのDormに住んでいた時のルームメイトが持っていたCDにModern Love 2 っていうのがあって、その中に入っていたのが、JoshのTo Where You Areだったんです。Joshファンなら誰でも知っている、彼の声でしか歌われてはいけない名曲です。ルームメイトはJoshの名前を指差して、この人の声はすごいわよ、私すごいファンなの、と言っていました。えー、さて、しかしながら私がJoshに堕ちたのはじつはこの時ではないんです^^; 良い声だな、とは思ったんですが、何を血迷ったのか、To Where You Areの曲調にそこまでシンクロできなかったというか・・・メロディーが当時の私好みではなかったんです。多分。それから歌詞がよく理解できていなかったというのもあります。キチガイ沙汰です、今考えると。そして彼のことはきれいに忘れ去ってしまいました(苦笑)。

 Long Beachに移り、大学に行き始めて多分2ヶ月ほど過ぎた時、つまらないテレビ番組を転々としていて、ヒットしたのがJoshのコンサート番組でした。In ConcertというDVDででているこのコンサートなのですが、なんとなくまったり気分だったRoxieなので、白シャツに黒スーツの上下のJoshに落ち着いて聞けそうな雰囲気を見て、そこでランダムな番組セレクトを止めたわけです。うまい具合にTo Where You Areがちょうど始まったところで見始めた私は、結局テレビの前に座り込んでなんと一人でぼろぼろ泣いてしまったんですよ! まったくもう、恥ずかしい。このIn ConcertバージョンのTWYAはほとんどがピアノ伴奏で占められていて、ドラムパーカスバイオリンその他が入ってくるのが2番のサビからなんですが、それがひどくツボだったんです。もー、あの盛り上がりに耐えられる人間がいたら教えて欲しいと切に思うほど訴えかけられてしまったんです。しかも、おもむろに歌詞を理解してしまったんです。ちょうどその年の先頃、弟犬を亡くしていた私は、そして彼の声に泣きました。

 Joshという名前を聞いて、咄嗟にIrvine時代やいてもらったCDを思い出して聞いてみるとやっぱり彼なわけですよ。あの曲にあの声に一発で堕ちなかった自分を激しく汚くののしりながら、即日アルバムを買いに行きました。さて、そこで気付いたのは、実はCDをやいてもらった後にも、一度彼の声に接触しているということ。CD屋で当時よく見かけていたオレンジ色の背景に右半面どアップのあのポスターが気になって、2nd アルバムを私は試聴していたのです。しかしヒットチャートNo1というわけで、なんというかありがちなアメリカンヒップホップとかそんな感じの曲を勝手に期待していた私は、出だしのピアノであれ? と思い、しかもその後のイタリア~ンにあれあれあれ? という感じで馬鹿なことにロクに聴きもしないでヘッドフォンを戻してしまっていたのでした^^; 大損。

 天才ボーカリストとか、神の授けたスーパーボイスとか、いろいろないわれがあるようですが・・・神さまだって授けないで自分でとっておきたくなるに違いない声です。曲も素敵です。アレンジがいい。そこでこんな高音までもってくるかい! と驚くような転調がいくつもありますが、それがまた良く生かされていて、言葉の意味なんか分からないけど、一緒に歌いたくなる。

 才能とはこういうことだと、改めて思い知らされる音楽です。

 CDじゃなくてIn ConcertのDVDの購入をお薦めします。世界に数あるアーティストの中で、唯一CDよりDVDでこそよさを分かってもらえる声ですので。