ONE VOICE

     * ONE LOVE + ONE LIFE + ONE VOICE *        笑っていれば、イイコトあるよ  

SN: 4x08 Wishful Thinking

あーやっぱり長くなっちゃった(苦笑)。

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印象に残るシーンのたくさんある、印象に残らないエピ。

ツボだけの問題で言ったら、多分SN史上いちばん私のツボをついたシーンの多かったエピソードでした。断言できる。私のツボは随分と散乱しているので、ピンポイントで押すのは難しいと思うんだけど、それをことごとく押してくれて、私はとても幸せでした。だけど正直、全体的に見ると、乾いてしまった紙粘土を無理やりくっつけて大きくしたような粗さがあって、「水でちょっと濡らせばだいじょぶだろ」という大雑把な脚本が、最終的に耐え切れなくてバラバラに解体してしまった感じ。一時間を通して共通していたのは、全てが予測不可能で即物的だったということ。Wishful Thinkingと言われて思い出すのは、例えば壁を背景にテディーベアの中身が宙に舞う瞬間とか、兄弟二人が並んでベンチに座ってるところとか、Deanが夢に魘されて小さく呟いた"..no.."とか、確かにたくさんあるのだけど、そのどれもが切り取られた瞬間ばかりで、このエピソードが一体何の話だったのか、という肝心のところはどうにもよく分からない。コメディーエピとして、レベルはとても高くて秀逸だったけど、Deanが実はことの全てを覚えている、というかなり重要な告白のお膳立てとしては、ふさわしくなかったと思う。

多分最大の問題は、Monster of the Weekのストーリーラインと、Mythologyレベルでのストーリーがちっとも交わっていなかったところ。なんで突然Deanが嘘をつくのをやめるに至ったのかが非常に謎。どういう心境の変化ですか、それは。

Deanの心の奥底って、基本的に脆い。本当は脆い。Samも私たちも、それは知っていて、だからDeanのことをとても好きでいるわけです。何かがおかしい、ということは、見ていれば分かる。なぜおかしいのかってところまでもむしろ分かっていることが多かったりする。だけど、本人がその異常を認めるのに時間がかかる。そして認めてからそれを言葉にするまでがDeanにとって非常に痛みを伴う作業で、やっぱり時間がかかる。だから、こちら側としては、Deanの鬼のような忍耐力が崩壊するのを待つか、Sammyがあの手この手で扉を叩き続けて、やっぱりDeanの鬼のような忍耐力が綻びるのを待つしかない。けれどその待ち時間が意外と楽しくて、理に適っていて、Winchestersという絆をより魅力的にする。SNを見る上での醍醐味のひとつは、そこにあると思う。

それが今回Samが2度ノックしたら、不意にドアが開いたわけね。こっちとしてはビックリしちゃうわけじゃないですか。何事? 何事! と思ってしまう。そんな、今までにないような自発的な開き方をしたドアが見せたものときたら、今までにないくらい現実味がない、といったら非常に馬鹿っぽいけど、要するに信憑性がちっともない。いくらDeanでもそんな無茶な。さっきも言ったけど、彼は基本的には脆いんです。その彼が、酒を浴びたくらいで普通に生活できているってのは、ちょっとおかしい。DeanをいままでどおりのSmart-assでいさせたいというのも分かるし、おそらく自分が壊れたらSamも辛い思いをするから、と気を使っているDeanの気持ちもあるのかもしれないけど、やっぱりちょっと期待はずれ。地獄によって変わってしまうDeanというのも、それはそれで彼の人間味のあるキャラクターとして成立するはずで、私はそれを見たかったと思った。

最後のDeanのセリフが、MetamorphosisでのSamの最後のセリフの完全なリバースだというのは、もちろんわざとだとは分かるけど、私はどっちかっていうと、"I can never make you understand"よりも"I don't want you to understand"のほうが、Deanらしいと思って期待していたので、少しばかり残念だった。Deanが話せば、辛かったその経験をSamはきちんと理解しようとするし、きっと理解してSamが同じように傷つくと思う。Deanはそれを避けたいと本能で思うんじゃないかなぁ、と思うんだよね。ただ、これだけなんだかんだ言っておきながら、まぁいいや、Deanがそう言うなら彼は全てを覚えているのだろうし、Samには分かってもらえないから話をしたくないんだろう。そこに癒しはなくて、だからこの話はこれでおしまい。と言われて、はい。と、口を噤むしかないだけの説得力があるところが、演技しかりここまで確固たるSupernaturalという作品を形作ってきたProductionの強さでもあると思う。結局なされるがままにされて、続きを気にする、意志薄弱な私(苦笑)。

以下、その他。

SNの水の表現って結構一点張りですよね(苦笑)。Bugsに始まって、シャワーシーンの水っていっつもあんな感じじゃない?(笑)

またやってるよ、兄弟ゲンカ!(喜) このシーンをDVDで何度も何度も何度も何度もリピートするのがいまから楽しみでたまりません(笑)。そして今度こそJaredの瞳の色は何色なのかを知りたい。しかし何よりもまず最初にDeanの着ているものがいい。薄い(笑)。色もいい。Samの着ているものはあんまり好きじゃないかもと思っていたら、実は中がVネックで、PCを取り出す時の首の筋がOH MY!

Jaredが自分で分かってるのか知りませんが、Samが"Look me in the eyes, and tell me you don't remember a thing from your time down-under."と言ってDeanを見つめるときに、必殺のPuppy-lookをやらないんですよね。あの目にだったら、Deanは嘘をつけると思う(笑)。s3のFresh Bloodのときとか、どうがんばってもNoとは言えないような瞳だって出来るくせに、脚本の流れによって目ヂカラを変えてくるところが怖いよPadalecki。

Deanがビールを「ぶっ」てしたところが楽しくて何度も見返してしまった(嬉)。

この人たちバンクーバーの全てを知っているような気がしますよ。いいロケーションを探してくるので、毎度毎度仰天します。SNであんなに広い空を見たのは久しぶりだ。

Samが最初にジャーナリストと偽った時に言っていた「Supernaturalという本で、アメリカ全土を旅しながら心霊現象について書いているライター」ってのは、Winchester兄弟というアイディアが出てくる前に、Kripkeの中にあった番組の基本コンセプトでした。

いじめられっ子に向かって"Run Forrest Run!"てのは、有名な映画Forrest Gumpからのセリフですが、誰かがこのときのJensenがTexanアクセント丸出しだ、と言ってたんですよね。私にはわかんないんだけど。

酒屋からそろって出てきて、並んでベンチに座るシーン。Jaredでかいなー(笑)。前、友達にSNの話をしたら、「あ、お兄ちゃんの背が低いドラマでしょ?」と聞かれ、衝撃を受けました。やっぱりそう見えるのね・・・。日本版に入っていなかったというS3のBloopersで、Jensenが「よく、"You're taller in person(思ってたより背が高いのね)"と言われる」と笑って話していましたが、185もあれば、そりゃでかいよ。十分だよ。慣れている私たちは、間違ってもJensenの背が低い、と思ったりはしませんが、パッと見はやっぱりそう見えるんだね。10cmくらい違うわけですものね。

一躍有名になったテディーベアとの邂逅シーン。ChicagoコンでJensenが言ってたと思いますが、リハーサルでドアを実際に開けるまで彼はくまさんを見ていなかったらしく、実物を目にし、その場で完全に打ち負かされて、"Oh my god!"と叫び、がっくりと膝に手をついてただひたすらに笑っていたそう。

"Lilith's head on a plate. Bloody."と言われて私は万歳してました。最近久しぶりにPilotを見たので、この3年の間に起こった変化が顕著で素敵。こういうSamが私は好きだ。Jaredは突っ立ってると顔立ちも雰囲気も典型的ないい子なので(でかいけど)、中身までいい子だと面白くない。

DeanのやるThumbs upって、なんか男っぽくて好きなんだよな~。ぜんぜん見えないんですが、なぜか腕の太さを感じるのです(笑)。

ハダカ少年とSamのシーン。あれってハダカ少年が白すぎるから浮き出て見えるんでしょうか? あれ、Blue screenだよね? でもJaredはちゃんとそこにいるように見えるんですが、二人は実は別次元にいるんだろうか。

Deanがトイレから出てきて、また一回トビラの向こうに姿を消すところがかわいくって好き(笑)。そして暫く見かけていなかった白と黒のチェックの上着! あぁ私この服だいすき!(笑) Hoodieの次に好き。

Chicagoコン情報によれば、くまさんの「のうみそ」が吹っ飛ぶシーンはネットワークから「見ていて気分がよろしくない」とのことでダメだしがちょこっと出たらしい。結局押し切ったそうですが、まったくもってなにをいまさら(苦笑)。

"Dean, wake up."のフラットなDeliveryが好き。で、高い膝に袖をたくし上げた腕を置いて、やや前かがみでこちらを見ているSam/Jaredが格好良すぎて倒れそう。私あの体勢ダメだ・・・。超弱点。多分、やや折れてる細い手首のあたりに色気を感じるんだと思う。

"The nightmares, the drinking; I'm with you 24/7, I know something's going on." NightmareSというからには、DeanがうなされているのにSamが気づいたのはこれが最初じゃないんでしょうね。一体いつからだったんだろう。24/7はTwenty four sevenと発音します。一日24時間週7日ということ。つまり46時中。All the timeと同じように使える。

Deanの"Sam, please"の声がかすれているところも好き。Jensenっていつでもすぐに声がかすれるけども、あれってどうやってるんだろう。

Deanが"We are on a job, I wanna work."と言ったときに、駄々をこねるみたいに頭をゆっくり振るSamが好き。あぁもう(笑)。そして"Pleeeaaase?"のあとのDeanの表情もいい。毎度毎度芸が細かいAckles。

Wesを演じているのは、映画スパイダーマンを撮ったSam Raimiの兄弟のTed Raimi。後々、元虐められっ子にDeanが言って殴られたせりふ"With great power comes great responsibility..."はSpidermanからの一言。ゴミ袋の山に埋もれて立ち上がろうとしているDeanをちょっとかっこいいとかセクシーだとか思ってしまった私は、確実にどこかがおかしい。

太陽の下だと、髪の毛が随分と明るい茶色で、そうするとやっぱりJensenは線が細い(苦笑)。

Supernaturalって頑ななまでにHappy Endを拒むよね(苦笑)。分かってはいるけどやっぱりWessがかわいそう。

Deanの最後の告白で、いちばん私が切なかったのは、Deanが"Somehow...heal me?"と言ったとき。DeanがHealingを必要だと認めたことが、とにかく切なくてね。はぁ。Jensenめー(笑)。

Jared本人はコメディーは得意じゃなくて、できればあんまりやりたくないらしいですが、誰か彼に一言、彼はこのエピソード、猛烈に面白かったと伝えてあげてください。

長かったけど、パチパチする。