06 Roddick 症候群
Music: Clarity - John Mayer ←
I worry, I weigh three times my body
I worry, I throw my fear around
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最近、テニスをしている時にふと思ったのですね。
あ、私今、2006年くらいのAndyに似てる。
同じスポーツとは思えないくらいヘタなのですが(当たり前)、
なんか、人生における足掻き具合が非常に似ている。
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今でももちろんそうですが、
No.1になった2003年前後、
破壊力のあるフォアハンドはAndyの最大の武器でした。
それを彼は知っていて、
相手もそれを知っていて、
世界はそれでしかAndyを知らないようになった。
期待されたら、
誰だってそれに応えたい。
一辺倒になれば、相手だって馬鹿じゃないから、
今までポイントになっていたはずのボールが、自分のコートに戻ってくる。
決まらない。
勝てない。
こんなはずじゃない。
ふつふつと湧き出ていた焦りがプレイに滲み出たのが、たぶん2006年とか。
その頃の試合は執拗にフォアに回り込んで、ウィナーを取りに行って、アウトしたりしている。
だけど自分らしさが目の前にあったら、
それを全力で守りたいと思うのは、
当たり前じゃない?
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私が、英語英語言い続けるのは、
それをなくしたら他に売れる確かなものが無くなってしまうからで、
だから英語にこだわるのです。
私にはこれしかない、と思う。
思っている。
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だけどフォアハンドは彼の最大の武器であって、絶対の武器ではなかったし、
そして同時に、
唯一の武器でもなかった。
2007年の夏、
USのハードコートが始まって、
あの負けず嫌いが、
意地を捨てて、
バックハンドで青いコートにDown the lineを決めたとき、
私は心底驚いて、
そして感動した。
あの勇気に今、あやかりたい。
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自分の矜持を賭けているものを一度懐に仕舞って、
新しく他の何かを磨き出す。
それは
敗北とは違う。
違うのだと思いたい。
今はまだその途中。
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私が抱えている最大の問題は、
自分の英語がどこへ出しても恥ずかしくないレベルだと自分で言い切れないからで、
文法も簡単なところから忘れているし、
単語も知らないものが多すぎる。
そんな中で他の何かをはじめようと言うその魂胆が気に食わない。
こんな中途半端で大丈夫なのかと、
後ろと足元を見やってばかりで、
前にすすめない。
それは、
不本意な形でNYを去ったことに起因することでもあるけれど、
それのすべてをそのせいにしてしまえたらどれほど楽かとも思うけれど、
結局いつまでアメリカにいたところで、英語が完璧になったと思える日は来なかったので、
それを理由に前進しないのは、建設的じゃない。
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By the time I recognize this moment
This moment will be gone
But I will bend the light, pretend that it somehow lingered on
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焦るのはやめよう。
焦るのをやめようと焦るのはやめよう。
一日は24時間しかないのだし、
秒針は同じ速度で進んでいくのだし、
どれだけがんばっても今できる精一杯は今の私の精一杯にしかならない。
足りなかったら残念です。
でもそれが今。
Right now. This moment.
だからあるもので勝負しよう。
あるだけの数を打ってみよう。
肩の力を抜いて、
大きくテイクバック。
下から振り上げて、
フォロースルー。
まずはあのボールを返す。
パチパチ。